ヒグマは北海道に生息する熊ですが、北米の灰色熊(グリズリー)の仲間です。今の時期は冬籠に備えて食糧を求める時期にあたります。食糧には人間も含まれます。
北海道東部の標茶(しべちゃ)町周辺では乳牛を襲う「OSO18」と呼称されているヒグマが問題になっています。駆除に躍起になっていますが、その姿は防犯カメラに捉えられた映像があるのみです。しかし、動物保護団体は殺すな!と町役場に電話がかかってくるそうです。
記事の一部を引用します。
「有効なはずの手立ても全く効かない。見えないクマは撃てないよ」。北海道猟友会標茶支部の後藤勲支部長(79)は唇をかむ。
一方で、町には「クマを殺すな」と動物愛護団体から抗議の電話が相次ぐ。後藤さんは「ここに住んでから言ってくれ。今後どんな被害が出るか分かったもんじゃない。命がかかった問題なんだ」と憤りを隠さない。
念頭に置くのは大正4年12月、苫前町(とままえちょう)で妊婦や子供を含む開拓民7人が襲われ死亡した三毛別(さんけべつ)ヒグマ事件だ。OSO18は三毛別事件のヒグマと同サイズの約300キロとされる。
ー引用終わりー
愛護団体は安全な場所から電話をかけてくるのですから、猟友会の人の憤りは尤もだと思います。
近年では大都市の札幌市内でもヒグマは目撃されています。これほどまでにヒグマと人間の距離が近くなっています。人間にとっては危険な状態と言えます。
ヒグマは一時期、絶滅が危惧されるほど頭数が減少(全道で3〜4千頭?)し、保護した結果、現在では約1万頭と推測されています。保護により人間を知らないヒグマが増加しているのでは?とも言われています。
もう一つ記事を紹介したいと思います。読売新聞の記事になります。
この記事ではキャンプ中にヒグマに出会した際の対処方法が記されています。咄嗟に対応できるのかは?です。出会さないのが一番なのは言うまでもありません。
北海道三笠市の桂沢湖(ダム湖)で釣り人がヒグマに襲われ、食糧の入ったリュックを捨てる事で難を逃れた事があります。
以前、知床半島の付け根を横断する道路で、ヒグマの子熊を見かけたドライバーが車外に出て写真を撮る姿をニュースで見た事があります。子熊の近くにいる親熊に襲われる可能性があり、そのドライバーが非難された事があります。また、今年の夏にはヒグマが車のドアミラーを掴んで車を揺さぶる事件がありました。
ヒグマは本州に住むツキノワグマとは比べ物ならいほど凶暴です。愛護団体は感情論?で殺すのは可哀想と考えているのかもしれません。しかし、ヒグマと人間の距離が縮まると共存は困難ですし、人間が自分たちの身を守るのは必然と言えます。