三か月も前から初聖体を受けるための覚悟を与えておりましたが、早くもこれが終わって黙想会がありました。その間、修道院の寄宿舎に止まらなければなりませんでしたが、いかにも恩寵豊かな黙想であったでしょう。その時の喜びは修道院の外では決して味わう事が出来ないと思っております。またそのt機に初聖体の覚悟をする子供の数がすくなかったので、童貞方は各々に対して母親のように、良く親切に注意を与えてくれました。大切にしてくださいました事については、なお感謝の念が起こります。そしてどういう理由かそのうちにも特に私を大切にしてくださいました。童貞様が毎晩、小さいランプを提げて私の寝台の側に来られ、愛情をこめて私の額に接吻をしてくださいました。私はその深い親切に感じ、ある晩「母様!私はあなたを深く愛しておりますから、私が秘密にしている大事なものをお目にかけましょう」といって「カルメル会修道女院」から頂いた小さな書物を枕の下から恭しく取り出し、これを彼女に見せました。するとその童貞は大事そうにあちらこちらを開いてこれを見て「あなたは特別に恵まれた者である」と仰せられましたが、実際、私は黙想の間に、私と同様、母親の無い子供のなかでは、私がその時分、可愛がられていたように可愛がられるものが少ないという事を度々経験しておりました。
読んでくださってありがとうございます yui