私が初聖体を受けた日の事は、少しも曇りないように、記憶に残っております。私はこれ以上の覚悟を為すことが出来ないほど、充分に覚悟していたと思います。母様、あなたが初聖体の三ケ月前に私に小さい立派な書籍を与えてくださったことを、まだ記憶しておられるでありましょう。私はこの書籍のおかげで立派な覚悟が出来ました。実は私はずっと以前から初聖体の事を思っていました。この書籍にあるように、私の精神に新しい励みを与える事、私の精神に新しい花を満たす事が必要であったことをこの書物によって悟りましたのに、毎日多くの犠牲を捧げ、花に変わるべき愛の所業に努めておりましたが、なおこの大小の犠牲をもって、スミレとかバラとはヒナギク、瑠璃草というように、この自然界の全ての花として私の心のなかに飾り、聖主のため……初聖体のために、この花かごを供えねばなりませんでした。
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