できるだけ「裕次郎、やめるってよ」(1)から読んでほしい。これは中高年の再就職物語。
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私の上司となった伊良部こと裕次郎の席は私の隣。
裕次郎は話好きで仕事中、私に話しかけてくるのはもちろんのこと、他の部署に所用で行くと30分は帰ってこない。
例えば来客用の会議室を予約するために受付に行くとそこで話しこむ。
その間に来客があってもお構いなし。そもそも会議室はネットで予約できる。
そんなこんなで裕次郎の話好きは日々有名に。
よく話をする年寄り、場合によっては独り言を言う年寄りの背景(原因)として考えられるのは、一人暮らしで話し相手がおらず、人と会うと長話がしたくなるというもの。
しかし、裕次郎は結婚していたはず。
裕次郎いわく、二人は「仮面夫婦」とのこと。奥さんは介護施設で働いており、すれ違いが多く夫婦の会話は極めて少ないのだそうだ。
「会えない時間が愛を育てる」ってことはないらしい。
ほぼ一人暮らし。
その状態で会社に来て話し相手が無限にいるので、うれしくてたまらないのであろう。ついつい長話に。
そんな裕次郎がおしゃべりの合間に格闘していたのが、パソコン(PC)だ。
通信系の会社に勤めていたのでパソコンは十分使いこなしていたはず。
ただ、この職場では関連部署に自分で連絡し、様々なアプリを自分で入れ、使いこなせるようにしなければならない。
私も含め周りの人間もある程度お手伝いするが、基本は不十分な英語マニュアルを見たり、英語で電話して相談したりと骨の折れる作業になる。まあ、新入社員の最初の修行なのだ。
また、マネーロンダリング対策、社内通報制度、ハラスメント対策、フィッシング詐欺対策などなど20種類程度のウエブ教育を一か月以内に修了させる必要があった。
これらはすべて英語で作成されており、確認テストで80点以上とらないと修了できない。
また、期日までに終わらない場合は上司に連絡が行き減点評価となる。
英語の苦手な社員は、翻訳ソフトを駆使して何とかクリアする。
裕次郎もおしゃべりの間にパソコンと格闘していたが、入社一か月後くらいには、おしゃべりの合間に一瞬暗い表情を見せるようになった。
<格闘する裕次郎。映画「風速40メートル」より>
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私の上司となった伊良部こと裕次郎の席は私の隣。
裕次郎は話好きで仕事中、私に話しかけてくるのはもちろんのこと、他の部署に所用で行くと30分は帰ってこない。
例えば来客用の会議室を予約するために受付に行くとそこで話しこむ。
その間に来客があってもお構いなし。そもそも会議室はネットで予約できる。
そんなこんなで裕次郎の話好きは日々有名に。
よく話をする年寄り、場合によっては独り言を言う年寄りの背景(原因)として考えられるのは、一人暮らしで話し相手がおらず、人と会うと長話がしたくなるというもの。
しかし、裕次郎は結婚していたはず。
裕次郎いわく、二人は「仮面夫婦」とのこと。奥さんは介護施設で働いており、すれ違いが多く夫婦の会話は極めて少ないのだそうだ。
「会えない時間が愛を育てる」ってことはないらしい。
ほぼ一人暮らし。
その状態で会社に来て話し相手が無限にいるので、うれしくてたまらないのであろう。ついつい長話に。
そんな裕次郎がおしゃべりの合間に格闘していたのが、パソコン(PC)だ。
通信系の会社に勤めていたのでパソコンは十分使いこなしていたはず。
ただ、この職場では関連部署に自分で連絡し、様々なアプリを自分で入れ、使いこなせるようにしなければならない。
私も含め周りの人間もある程度お手伝いするが、基本は不十分な英語マニュアルを見たり、英語で電話して相談したりと骨の折れる作業になる。まあ、新入社員の最初の修行なのだ。
また、マネーロンダリング対策、社内通報制度、ハラスメント対策、フィッシング詐欺対策などなど20種類程度のウエブ教育を一か月以内に修了させる必要があった。
これらはすべて英語で作成されており、確認テストで80点以上とらないと修了できない。
また、期日までに終わらない場合は上司に連絡が行き減点評価となる。
英語の苦手な社員は、翻訳ソフトを駆使して何とかクリアする。
裕次郎もおしゃべりの間にパソコンと格闘していたが、入社一か月後くらいには、おしゃべりの合間に一瞬暗い表情を見せるようになった。
<格闘する裕次郎。映画「風速40メートル」より>