白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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様子見

2019年06月25日 22時15分53秒 | 問題集

<本日の一言>
乙級リーグ、日本チームは16チーム中9位でした。
レベルは上がっていても、まだまだ安定して勝つには至りませんね。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
幽玄の間で海外の碁が多く中継されていましたが・・・ついていけない碁が多すぎますね。
ということで、本日は指導碁に現れたヨセの問題をご紹介します。

1図(テーマ図)
白番です。
白Aや白Bなどの一歩一歩ではなく、大きく黒地を減らしたいところです。
どんな手があるでしょうか?

 

 

 

 


2図(正解)
白△の切り込みが正解です。
いわゆる様子見というテクニックですね。
黒Aと黒Bの2つの受け方があるので、どちらにするかを先に聞きました。
白は黒の選択を見てから、後出しで打ち方を決めます。

 

3図(正解)
黒1と取れば白2とハネるのが好手です。
切り込みの働きにより、黒Aには白Bでつながっています。
黒3に対しても白4と出て黒地を減らし、やはり黒Aは白Bの切りがあって成立しません。

 

4図(変化図)
切り込みに対して黒1とつなげば、今度は白2と逃げます。
黒3、5の出切りは、白6で両当たりになるので成立しません。
黒3では黒5と打つしかありませんが、白3と脱出して黒地を大きく減らせました。

 

5図(失敗)
様子見を使わず、初手白1と打つのは黒2と出られて失敗です。
後から白3と切っても、黒4の受け方を選ばれ、白Aには黒Bで手になりません。
本図は白が先に手の内を見せてしまったということです。

 

6図(失敗)
また、初手白1も黒2と出られて失敗です。
今度は白5に対して黒6で受けられ、やはり手になりません。


様子見は高度なテクニックと言えますが、使いこなせると碁が楽しくなります。
また、布石から終盤まで、活用できる場面も多いです。
ぜひ考え方だけでも身に付けておきたいですね。

 


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