<本日の一言>
明日からG20大阪サミットですね。
最近は世界の政治や経済が不安定になってきている印象ですが、令和の時代にはどんな変化があるのでしょうか。
</本日の一言>
皆様こんばんは。
木曜日は日本棋院棋士の公式対局日です。
幽玄の間でも多くの対局が中継されました。
特に、名人戦リーグの河野臨九段と羽根直樹九段の対局は寺山怜五段の解説も付いているのでぜひご覧ください。
さて、ここでは謝依旻六段(黒)と二十四世本因坊秀芳の対局をご紹介しましょう。
1図(テーマ図)
黒△のツケ!
出ましたね、様子見の一手です。
白AとBのどちらで受けるのかによって、後の作戦を決める狙いです。
2図(変化図1)
白1の受けなら黒2が利きます。
こちらは分かりやすい効果ですね。
後に黒4、6と打てば、隅と白×の石がつながらなくなります。
3図(変化図2)
白1の方だと効果が分かりづらいのですが、将来黒4と押さえた後、黒6、8のハネツギが先手になる可能性があります。
もし黒10までとなれば、左辺は理想的な黒模様ですね。
本図はあくまでイメージであり、実際にこう進むわけではありませんが、それでも黒としては作戦を立てやすくなるでしょう。
4図(実戦)
ところが、実戦は様子見に対して白1、3とあらぬ方向に向かいました。
様子見が相手の選択を問う狙いなら、それに対する反発は手抜きなのです。
この後、手を抜かれた黒はAから仕掛けることになり・・・。
5図(実戦)
白△までの大変化になりました。
黒は左上隅を荒らしましたが、白も左下で頭を出し、左上からは左辺に進出しているので、2箇所良い所を打っています。
このように、ちょっとした様子見から局面が動き出すことはよくあります。
プロの碁をよく理解するためには、様子見という手段はぜひ知っておきたいものですね。
☆各所で指導碁を行っています。皆様のお越しをお待ちしています。