白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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上達の約束

2019年06月26日 23時59分59秒 | 仕事・指導碁・講座

<本日の一言>
時々聞かれるのですが、23:59:59設定で投稿しているときは、実際には日付をまたいで書いています。
毎日投稿にこだわっていた頃は、翌朝に書くこともありました。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
本日は上達の約束五反田教室の指導日でした。
指導時間が2時間半なので、1局打って検討、のセットを2回行うことが多いです。
2局打つことの最大のメリットは、1局目の反省を即座に生かせることですね。

指導にあたっては、お客様それぞれに大きな課題を自覚して頂き、それを達成するための道筋を示すことを重視しています。
課題の数は大抵の場合は1つか2つで、多くても3つまでですね。
著書でも書いていますが、一度に色々なことを身に付けようとすると混乱してしまいがちなので、1つ1つしっかりこなしていくことを推奨しています。
2つの課題について指導する場合でも、布石はこの課題、中盤はこの課題といったように、課題同士がぶつからないように気を付けています。

さて、それでは今回は上達の約束での指導碁を題材にしてみましょう。

1図(テーマ図)
黒番です。
白×が弱いので攻めたいところですね。
絶対の正解は無く、色々な攻め方が考えられますが・・・。



2図(実戦)
実戦は黒1とツケて根拠を奪いにいきました。
白2とハネ出されても、黒3~7で脱出できるという読みですね。
なかなか力強い発想と言えます。

しかし、問題点もあります。
それは黒×のダメが詰まり、傷んでしまっていることです。
取られるわけではありませんが・・・。



3図(実戦)
白1に対して黒×を守らざるを得なくなりました。
その間に白はすっかり固まり、攻めを狙えなくなっています。

実はこの方の課題はこういう所にありました。
ダメ詰まりなど、自分の石が傷む打ち方をしてしまいがちなのです。
そこで・・・。

 

4図(正解)
検討ではこのような図を示しました。
先ほどと違って、黒×のダメが空いていますね。
このダメ1つが大変な差を生みます。



5図(正解)
前図の後は、一例としてこのような進行が考えられます。
3図とは違って黒に弱みがないので、気持ちよく攻められていますね。

検討では1局を通して振り返りますが、重要な場面は大体3~4箇所といったところです。
それらの場面を使って、1つか2つの課題の達成につなげます。

 

 



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