白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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SGW杯6週目の結果と7週目の見通し

2019年10月13日 23時59分59秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
台風が去っていきました。
明日からは通常通り仕事を行っていきます。



皆様こんばんは。
本日はSGW杯6週目を振り返りたいと思います。
今週は色々ありすぎて、気が付いたらもう日曜日です。



3枠は大場淳也七段(36)が枠抜けしました。
決勝では小県真樹九段(55)の時間が切れるという、ネット対局ならではの事故がありましたね。

12枠は林子淵八段(41)が、秋山次郎八段(41)との大熱戦を制して枠抜けしました。




13枠は武井孝志七段(40)が中澤彩子五段(48)を破り、枠抜けしました。
あまり見たことの無い布石が印象的な1局でした。

14枠は神田英九段(57)が矢中克典九段(47)を破り、枠抜けしました。
お互いにひたすら相手の注文を外していく戦い方が印象的でした。


さて、今回は林子淵八段と秋山次郎九段の対局をご紹介したいと思います。

1図(実戦)
黒1のハネは、白Aと受けさせて黒Bの利き筋を作る意図でしょう。
しかし、白は受けずに2、4と上辺黒に攻めかかりました。
勢い、黒も5から上辺白を閉じ込めて全面戦争です。



2図(実戦)
両者命がけの戦いとなったこともあり、戦いの手筋が乱れ飛ぶことになりました。
黒1のノゾキが手筋なら、白2~8の対応もまた手筋です。
白は黒に眼形を与えたくないので、目一杯に頑張っています。。



3図(実戦)
そして、この鼻ツケもお手本のような手筋ですね。
白Aと出て行くと、黒BからDと切られて白が潰れます。



4図(実戦)
ここで白1といったのもまた凄いですね。
白7の後、黒Aと打てば眼がありませんが、白Bから封鎖して攻め合いに持ち込もうというのです。
結果はコウになりそうですが、白の外勢が厚くなるので取られても十分ということでしょうか。

秒読み20秒の早碁で簡単に読みきれるとは思えませんが、勘と経験を信じているのでしょう。
それにしても、一歩間違えたら終わってしまう、スリリングな戦いですね。

この碁は215手ぐらいまで延々と戦いが続くのですが、結果はなんと黒半目勝ちでした。
それもまた凄い話です。


さて、来週は予選最後の週になります。
誰か勝ち残るでしょうか?



13枠は全体的に若いですね。
49歳の中尾準吾八段が最年長になります。
黄翊祖八段(32)などは当然ながら本命視されますが、やってみないとわかりません。

14枠は30代2人、40代2人、50代3人とバランスが良いですね。
予想は難しいですが、年の近い安斎伸彰七段(34)の名前を挙げておきましょうか。
執筆活動にも熱心な棋士ですね。



なお、この枠も明日に行われる予定でしたが、再度日程が変更されましたね。
桑本晋平七段(47)は島根在住の棋士で、流石に厳しかったのでしょう。



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・・・JR有楽町駅前の交通会館9Fです。毎月1回、指導碁当番を担当しています。今後は10月11日(金)、11月15日(金)、12月13日(金)に指導碁を行います。

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