白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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天元戦第2局感想

2019年10月21日 23時44分26秒 | 囲碁界ニュース等

<本日の一言>
棋聖戦挑戦者決定トーナメントは、一力遼八段が鈴木伸二七段を破り準決勝に進出しました。
最近の一力八段の活躍には目を見張るものがありますね。
2期前に井山裕太棋聖に4タテを食った苦い経験がありますが、リターンマッチの権利を勝ち取ることができるでしょうか?



皆様こんばんは。
本日は天元戦第2局が行われました。
早速振り返っていきましょう。
なお、この対局は日本棋院ネット対局幽玄の間にて、松本武久八段の解説付きで中継されました。

1図(実戦)
井山天元の黒番です。
黒1は「白Aと受けてください」という手ですが、白2のノゾキで反発しました。
黒Bとつなげば、そこで白Cと切るつもりでしょう。



2図(実戦)
しかし、実戦はつながずに黒1、3!
黒×を捨て、黒石を外回りに持っていきました。
これで後の戦いを有利に運ぼうというのですね。
井山天元らしい大局観です。



3図(実戦)
そして、黒1の肩衝きから黒7までの打ち回しが鮮やかでしたね。
黒×を脱出させつつ、白×を閉じ込めています。
こうなっては黒が優位を築いたと思いました。



4図(実戦)
許挑戦者の白1、5の踏み込みも迫力がありましたね。
黒もAやBなどに断点があり、果たしてどうなるか・・・。
ここからスリリングな攻防が繰り広げられました。


この後は井山天元が隙無く押し切りましたね。
本局はスマートかつ力強い、井山天元らしさがよく表れた一局だったと思います。
井山天元が調子を取り戻してくると、シリーズはますます面白くなりますね。

第3局は間が空いて、11月22日(金)に行われます。
お楽しみに!



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