白石勇一の囲碁日記

囲碁棋士白石勇一です。
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投了図

2018年09月27日 23時21分58秒 | 幽玄の間
<本日の一言>
今朝は寒さで目が覚めました。
季節の変わり目ですから、風邪を引かないように気を付けたいですね。
</本日の一言>

皆様こんばんは。
木曜日は日本棋院棋士の公式対局日です。
幽玄の間でも多くの対局が中継されました。
本日はその中の1局の投了図に注目してみたいと思います。
王座戦予選、黄翊祖八段(黒)と三村智保九段の対局です。



1図(実戦)
白△とコスミツケたのは有名な手筋ですね。
これで部分的には黒が困った形です。
黒Aとウッテガエシを防げば、白Bとでも打たれてまとめて取られそうです。





2図(実戦)
ここで黒は、ツケたり切ったりと色々やっています。
一体何の意味があるのでしょうか?





3図(投了図)
ところが、黒△と打たれたところで白が投了しました。
黒は右辺の白大石をずっと狙っていたのです。
しかし、黒大石も生きているわけではありません。
白Aから暴れられると、生きられたり攻め合いに持ち込まれたりするのでは?

しかし、黒には対策があり、前図はそのための準備工作でした。
白もそれを読み切って投了したのです。
では実際にどうなっているのか、皆様もぜひ考えてみてください。
解答は明日発表します。