4月8日のブログで書いた実験結果報告です
ちょっと長いですが、よろしくお付き合いのほど…m(__)m
肉球。
もっといっぱい生えるかと思ったのに、意外と少なく3コ。
培地に直接ペタンとスタンプする方法でサンプリングしたのですが、
皮膚表面が乾燥していたので、思ったほど菌がいなかったのかもしれません。
サンプリング方法や培養方法を変えたら、もっとうじゃうじゃ出てきてたかもしれません。
…と思うと、さらにやってみたくなりますが、アソビですので、残念ながらココで終了です(笑)
皮膚表面のふき取り検査もやってみました♪
これらは、酵母類(オレンジ色のもの)とグラム陽性桿菌の
Corynebacterium(コリネバクテリウム)の仲間ではないかと思われました。
酵母
どちらもふつうに人の皮膚にも常在する菌ですが、何の菌かを特定することはできませんでした。(なにしろアソビですから…
)
前者のほうは、菌の形状からして
Malassezia (マラセチア)と
Candida (カンジダ)が思い当たりました。
ちなみに、マラセチアはイヌに普通に常在する菌ですが、外耳炎の原因菌となるようです。
普通の状態では、何ら問題はないですが、わんこの抵抗力が弱っている時などには悪さをします。
私たちも気をつけてあげたいものです。
そして、明らかに菌が出る!とサンプリングしたマズルの部分。
うじゃうじゃ生えてきました
無理やり数えて270コ
すごいっ!
いっぱい生えてますが、ざっと3種類の菌のようです。
分離してみました。
そのうち、
白っぽいもの
黄色っぽいもの
さすがに同定(菌名を特定する作業)までは、アソビではできない(お金がかかる)ので、目視判断になりますが、どちらもグラム陽性球菌の
Staphylococcus(スタフィロコッカス)の仲間ではなかろうかと思われました。
今回生えてきた
Staphylococcus(スタフィロコッカス)。
これは和名では『ブドウ球菌』と言われるので、耳にしたことがある方も多いかも。
よく知られているのは「黄色ブドウ球菌」による食中毒。この菌が作り出す毒素が中毒症状を引き起こします。
ただ、ブドウ球菌にも、ものすごくたくさん種類があって、悪さをするものばかりではありません。
人間の鼻の粘膜や皮膚とかにフツーに常在している菌です。
人も犬も同じ(ような)菌をもってるんだなー、ってことがわかりました。
そして今回、特に興味深かったのがこちら
黄色いべちゃっとしたもの
コレ、目視でグラム陰性桿菌、というところまでは見当がついたのですが、その先がわからない。。。
頼りになるうちの会社の菌博士に聞いてみました。
おそらく、
Pasteurella multocida(パスツレラ・ムルコシダ)ではないかとのこと。
『パスツレラ』
犬・猫の常在菌です。
調べてみたところ、イヌおよびネコによる掻傷や咬傷により化膿することもある、感染症の原因菌です。
わさびはやっぱり犬だったようです
(当たり前か…)
パスツレラも、人間の抵抗力が弱っている時などには悪さをします。
ただ、これをもっているから、といって危険なわけではありません。
人間の常在菌ではない、というだけで、健康な犬・猫はほぼこの菌をもっているのです。
よく言われていることですが、過度なスキンシップをしない、ということで、十分に共存できることです。
人も犬も、菌に守られて生活しています。
菌が多い=不潔ちゃん という単純な見方ではなく、『菌と共存して生活している』、そう解釈していただければ…と微生物を扱うワタシなどは思います。
なーんて、ちょっとマジメにまとめてみたりして
ワタシも勉強になりました
次回パート③も計画中♪
再来週報告できるかな?
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これらはあくまで、経験に基づく、見た目のみで判断した結果です。
違う菌名である可能性も大いにあります。
その点は、あしからずご了承くださいませ。
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