(前回までのあらすじ)
ぼくは、お引越しをして新しいお家にやってきた
でも、母さん犬とも妹犬ともはなれた暮らしは落ち着かない
---------------------------------------------------------------------
パパママは、ぼくに近づいては「ラン ラン」と言って、ぼくを呼んで
ご飯をくれたり、おやつをくれたり、お散歩に行ったり、ボール遊びをしたり
ぼくは、こうして自分が「ラン」と呼ばれることにだんだんと慣れていった
でも、正直なところ、
この新しい二人のヒトにどこまで気を許していいのか、ぼくは迷っていた
この二人のヒトが近づいてくると、ぼくは緊張した
目を合わせないように下をむいて、近づいてくる足先をじーっと見つめた
何かいやなことをされやしないか、いつもビクビクと警戒していた
ママ「ランは、いつか私にピッタリとよりそって、安心しきって寝そべってくれるようになるかしら」
パパ「毎日一緒にいて愛情をそそいでやれば、きっとそうなるよ」
ママ「早くそうなりたいわ」
パパ「あせらないことだよ」
二人のヒトと一頭のイヌは、お互い、間合いのとり方にギクシャクしていた
畳や障子をガリガリとひっかいては叱られ、あま噛みをしては叱られた
何でどう遊べば楽しいか、お互いに手さぐりだった
でも、ぼくが自分のしっぽを追いかけてクルクルまわっていると、
ママは気づいて、すぐにぼくの遊び相手をしてくれた
パパはお出かけする時には、ラジオをかけておいてくれた
ぼくは、一人になっても寂しいと感じることはだんだんなくなっていった
パパは、時間さえあればホームセンターに出かけて、
ぼくの気に入りそうなおもちゃやおやつを、いろいろと買ってきてくれた
ぼくは、新しいおもちゃの遊び方もわかってきて、
いつの間にか、自分のしっぽを追いかけまわすのは、自然にしなくなった
どうやら、このパパママは、わるいヒトじゃなさそうだという気がしてきた
この新しいお家には、パパとママのふたりのヒトしかいない
だから、ぼくはパパママをよく見るようになった
パパママにしかられるのか、それともほめられるか、とても気になるからね
そして、しかられなくても、ほめられなくても、
パパママの考えることや気持ちが、だんだんと分かるようになってきたんだ
つづく
(写真と本文は関係ありません)
ぼくは、お引越しをして新しいお家にやってきた
でも、母さん犬とも妹犬ともはなれた暮らしは落ち着かない
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パパママは、ぼくに近づいては「ラン ラン」と言って、ぼくを呼んで
ご飯をくれたり、おやつをくれたり、お散歩に行ったり、ボール遊びをしたり
ぼくは、こうして自分が「ラン」と呼ばれることにだんだんと慣れていった
でも、正直なところ、
この新しい二人のヒトにどこまで気を許していいのか、ぼくは迷っていた
この二人のヒトが近づいてくると、ぼくは緊張した
目を合わせないように下をむいて、近づいてくる足先をじーっと見つめた
何かいやなことをされやしないか、いつもビクビクと警戒していた
ママ「ランは、いつか私にピッタリとよりそって、安心しきって寝そべってくれるようになるかしら」
パパ「毎日一緒にいて愛情をそそいでやれば、きっとそうなるよ」
ママ「早くそうなりたいわ」
パパ「あせらないことだよ」
二人のヒトと一頭のイヌは、お互い、間合いのとり方にギクシャクしていた
畳や障子をガリガリとひっかいては叱られ、あま噛みをしては叱られた
何でどう遊べば楽しいか、お互いに手さぐりだった
でも、ぼくが自分のしっぽを追いかけてクルクルまわっていると、
ママは気づいて、すぐにぼくの遊び相手をしてくれた
パパはお出かけする時には、ラジオをかけておいてくれた
ぼくは、一人になっても寂しいと感じることはだんだんなくなっていった
パパは、時間さえあればホームセンターに出かけて、
ぼくの気に入りそうなおもちゃやおやつを、いろいろと買ってきてくれた
ぼくは、新しいおもちゃの遊び方もわかってきて、
いつの間にか、自分のしっぽを追いかけまわすのは、自然にしなくなった
どうやら、このパパママは、わるいヒトじゃなさそうだという気がしてきた
この新しいお家には、パパとママのふたりのヒトしかいない
だから、ぼくはパパママをよく見るようになった
パパママにしかられるのか、それともほめられるか、とても気になるからね
そして、しかられなくても、ほめられなくても、
パパママの考えることや気持ちが、だんだんと分かるようになってきたんだ
つづく
(写真と本文は関係ありません)