福島県相馬市の農人ナベさんからお便りが届いています。転載します。
東日本大震災のあった今年2011年、私の住んでいる福島県相馬市では、例年どおりに米の作付けをしております。
ですが、となり町の南相馬市では、今年はすべての農家で米の作付けをしておりません。福島第一原発の事故による放射能汚染の問題があるためです。
南相馬市の鹿島地区の一部のたんぼでは、米のかわりに「ひまわり」を植えています。「ひまわり」は、放射能を吸収する植物といわれています。
先日所用でその場所をとおりました。たんぼ一面の「ひまわり」は満開で黄色のじゅうたんを敷きつめたような壮大な景色でした。
車をとめてカメラに収めたのですが、この景色をみてなぜか切ない気持ちになりました。
ふつうなら「ひまわり」をみたら元気がでるのですが、「ひまわり」を植えた目的を知っているからか、「ひまわり」の花が泣いているようにみえたのです。
花をみてこんな気持ちになったのは初めてです。
原発事故は、自然やヒトの体を破壊しているばかりでなく、ヒトの心も破壊しているのでしょうか。
****** 2011/9/27 補足します ******
南相馬市の鹿島地区では、作付けをお休みした田んぼを美しくみせるように「ひまわり」を植えました。
南相馬市は、稲の作付けができる地域とできない地域にわかれたので、補償の公平さの観点から、すべての地域で作付けしないことに決まったそうです。
鹿島地区は、「放射能がたかいので、稲を作付けしないで、放射能の除染に効果のあるひまわりを植えた」わけではありませんので、誤解のないようにご理解をお願いいたします。