因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

拙者ムニエル『FUTURE OR NO FUTURE』

2005-10-04 | 舞台

*村上大樹作・演出 シアタートップス
 遅ればせながら拙者ムニエル初体験。


 よくも悪くも「残らないおもしろさ」であったように思う。あのときのあれがおもしろかった、あの台詞は何度思い出しても笑える・・・という印象がない。たくさんの登場人物とめまぐるしいストーリー展開、ひっきりなしにちりばめられたギャグを巧みにさばく作者の手並みは相当なものである。ただそれだけに、手の込んだバラエティを生で見ている感じがして、「なぜこれを演劇で表現するのだろう」という、根本的な疑問を持ってしまった。観客が求めるものはさまざまであるが、少なくとも今回の拙者ムニエルの舞台に、自分の探し求めるものは残念ながらみつけられなかった。作者の村上大樹はバラエティ番組の構成作家としても活躍中である。この方面から作者の力量や劇団の魅力を考えてみるのもひとつの方法かもしれない。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 風琴工房『ゼロの柩』 | トップ | 『天保十二年のシェイクスピア』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

舞台」カテゴリの最新記事