因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

龍馬伝第32回『狙われた龍馬』

2010-08-08 | テレビドラマ

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 西郷吉之助(高橋克実)と会うために、龍馬と中岡慎太郎(上川隆也)は京に赴く。おりしも京は新撰組が攘夷派や倒幕派の武士たちを片っぱしから捕えていた。龍馬が寺田屋に足を運ぶと、新撰組の近藤勇(原田泰造)がお気に入りの楢崎龍(真木よう子)に酒の相手をさせている。龍馬は薩摩藩士のふりをして近藤の部屋に乗り込む。

 ドラマに描かれていることのどこまでが史実で、どこからが創作かを考えるのはもうよそうという気持ちと、「でもほんとうのところはどうなのか」という疑いが今夜もせめぎあった。いや苦痛ではなく、トータルとして前のめりで楽しんだのだが。高杉晋作(伊勢谷友介)が登場して喜ぶも、あっというまに出番が終わってしまった・・・。

 今回の収穫は原田泰造の近藤勇である。お龍に言いよる嫌らしさ、薩摩藩士を名乗る龍馬と酒を酌み交わすときの顔つきの微妙な変化、龍馬の正体をしって寝込みを襲い、同席の人物が千葉道場の千葉重太郎(心優しい兄上。お久しぶり、渡辺いっけいさん!)と知ってたじろぐ様子、寺田屋から出て裏道を1人歩くときの表情。2004年放送の『新撰組!』の香取慎吾の近藤勇だけでなく、原田自身が演じた一昨年の『篤姫』の大久保利通どちらもぶっとばす勢い。迫力だけでなく複雑で微妙な造形に、「嫌な感じ」と思いながら目が離せない存在になりそうである。

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