因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

ミナモザ#12『ホットパーティクル』

2011-09-23 | 舞台

*瀬戸山美咲 作・演出 公式サイトはこちら SPACE雑遊 27日まで (1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12)
 道路のまんなかにすっくと立つ作家の瀬戸山美咲。その両脇には「立入禁止 福島県」の看板が。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故で創作の姿勢や意欲を打ち砕かれた劇作家が、その根源である原発を目指して車を走らせる。
 劇の主人公は瀬戸山美咲その人自身。
 ミナモザの最新作はフィクションを放棄し、「すべて実話」のドキュメンタリー演劇であるとのこと。前述の写真も裏面の文章にも大変な気合いが漲っている。

 演技エリアを挟んで、客席は対面式に作られている。
 会場入口から見て右奥に自動車の内部らしき装置と白い幕があり、幕にはその日の日付が映し出されている。仲間を募って東京から福島原発へ向かう「私」(佐藤みゆき)の、劇作だけでなく私生活も含めた混乱、煩悶の様相を曝けだされてゆく2時間弱の物語である。

 まだ自分の心が混乱している。
 あまりと言えばあまりな言い方になるが、よくも悪くもこれまでみてきたミナモザの舞台は何だったのだろうかと思う。それくらい斬新であり破壊的でもあり、本作を肯定的にみるか、その反対にとらえるかさえわからないのだ。
 もう少し悩み、もっと考えます。時間をください。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 架空の劇団番外公演『瓦礫と... | トップ | 荒川チョモランマ 晩夏の番外... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

舞台」カテゴリの最新記事