年末恒例、因幡屋演劇賞の発表です。感謝と喜びをもって、2015年は以下のみなさまへ。
*劇団文学座公演 森本薫作 戌井市郎補訂 鵜山仁演出『女の一生』
リーディングと講演が行われた『女の一生』プレ・イベントも大変おもしろく、舞台の魅力がいっそう増し加わった。『女の一生』は、わたしの演劇人生に必要な舞台であることを改めて認識した。
*劇団文化座アトリエにおける三好十郎作品 『稲葉小僧』(原田一樹演出)、『廃墟』(劇団東演との合同公演 鵜山仁演出)の上演
老舗新劇劇団の安定感はもちろんだが、ノスタルジアではなく、清々しく新鮮だ。三好十郎は年月を経てなお、客席に新しい風を呼び込むのである。
*三月大歌舞伎「菅原伝授手習鑑」の通し上演 (昼・夜)
えびす組劇場見聞録49号に少々。
*帝劇ミュージカル ミュージカル ミヒャエル・クンツェ脚本、歌詞 シルヴェスター・リーヴァイ音楽、編曲作 小池修一郎演出、訳詞 『エリザベート』
15年前、皇太子ルドルフ役で彗星のごとくデヴューした井上芳雄が、黄泉の国の帝王トートを演じた。あのときとはまったく別の作品のように驚き、酔いしれた一夜の幸福。
*猫の会主宰 北村耕治の仕事
『ありふれた話』の作・演出、作『親戚の話』の作(田中圭介演出 コマイぬ上演)
いずれも小さな空間でささやかに行われた公演だったが、見る人の心に確かな手ごたえを残した。丁寧で誠実な仕事である。
1年の観劇本数は95本で、数年ぶりに100本を切りました。これは生活に占める俳句の比重が増えたためにまちがいありません(苦笑)。時間にもお金にも限りがあるのですから、何かを取ったら何かはあきらめる、あるいは一時置いておくように、頭を切り替えたいものです。
それにしても、もし自分が演劇を見ることなく、俳句も作らなかったとして、いったい何をしていたのでしょうか?!それくらい大事にできること、打ちこめるものに出会えたこと、それも自分から求めて得たのではなく、自然に与えられたことに驚いております。
因幡屋ぶろぐにお越しくださいましたみなさま、ほんとうにありがとうございました。来年もまた、よろしくお願いいたします。どうかよいお年を。
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