因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

『ちりとてちん』第3週

2007-10-20 | テレビドラマ
 19日金曜日放送分までの感想。ヒロイン喜代美(貫地谷しほり)は高校卒業と同時にあてもないのに家出して大阪へ向かった。ころがりこんだ友達のマンションも飛び出し、町を彷徨う。ふと聞こえた優しい声に導かれてたどり着いたのは…。

 何をやってもだめで取り柄のないヒロインが、実は非常に特殊な才能を持っているという設定は以前もあった。96年秋~97年春放送の『ふたりっ子』(大石静脚本)がそうであろう。ヒロイン香子(岩崎ひろみ。懐かしいなぁ)は子供のうちからその才能をみせていたが、『ちりとてちん』の喜代美はこれまで才能らしきものをほぼまったくみせない。変りたい、自分を変えたいと思い詰め、突発的に「お母ちゃんみたいになりたくない」と叫んでしまう。ここに少し違和感をもった。子は親を批判し、否定しながら成長する面もあるが、糸子は周囲がどう思おうと関係なく、実にのびのびと生きている。自分を変えたい→母親のようになりたくないという流れは少々強引では?

 母親の糸子(和久井映見)と喜代美の関係は不思議である。娘が何かしようとする。常識的な家族がこぞって反対するなか、ぶっとんだ母親だけが味方になるという構図ならわかりやすいが、糸子は逆なのだ。「やめなれ」まっさきに反対する。それも一刀両断な言い方で、しかも「あんたのためや」という最も言われたくない理由で。なぜだろう。

 たどり着いた家はわけあって廃業同然の落語家(渡瀬恒彦)のうちで、弟子や近所の人々との出会いによって、喜代美の人生は急展開していく。喜代美には人の心を動かす話術?があるらしい。今週になってちょっと出来過ぎのエピソードが続くなぁと思ったが、ある程度はお約束なのでしょうかね。 

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