因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

続『父産』

2007-06-29 | 舞台番外編
 劇団印象の『父産』が上演された新宿タイニイアリスさんのHPが、当ぶろぐをリンクしてくださいました。ありがとうございます。またプロデューサーの西村博子さんによる劇評がWonderlandに掲載されていますので、こちらも是非どうぞ。力強く愛情溢れる劇評です。

ずっと以前、劇団二兎社公演『カズオ』の舞台中継がテレビ放映されたのをみたことがある。永井愛と大石静のふたりがいくつもの役を老若男女とっかえひっかえ演じ継ぐ手法で、自由自在というかアナログというか。永井愛演じたおバカさんOLの「咲村はるな」がわたしは好きだった。工夫が凝らされているのだが、さすがに歌舞伎の早変わりのようにはいかない。「あ、ここは大変そう」とわかる場面もあって、当時のふたりの勢いや、これからどんなふうに成長、変化していくのだろうと見る者を引き込む力が感じられた。録画をみていてもそうなのだから、実際に劇場でみたらどんなに楽しかっただろう。永井愛の作品は『こんにちは、母さん』『書く女』も好きだけれど、『カズオ』には、まだ一定の評価を得る前の演劇集団がもつ、計り知れないエネルギーを感じるのである。

 劇団印象は今回の『父産』が初見であった。西村さんは印象の舞台をこれまでもご覧になった体験も踏まえて論じておられ、わたしはその点では「出遅れた」と悔しいのだが、これからこの劇団が大化けしていく予感に満ちた舞台に初めて足を運んだ幸運を喜んでいる。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『神様の夜 Bプロ ひとりじ... | トップ | ひかりの日ノ出vol.1『田紳有... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

舞台番外編」カテゴリの最新記事