前号からあっというまに季節が過ぎ、NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』が最終回を迎えた本日、因幡屋通信第45号を設置先各劇場、ギャラリー、カフェに発送いたしました。
今回取り上げさせていただいたのは、8月に観劇したガラス玉遊戯の『癒し刑』です(リンクは観劇直後のブログ記事)。題しまして「継続は力かも~ガラス玉遊戯への夢と期待~」です。
カラ―は薄いグリーンで、今号より愛媛県松山市の「シアターねこ」さま、京都・御所南の「Cafe MONTAGE」さまにも設置がかないました。ご理解、ご協力に心より感謝いたします。
えびす組劇場見聞録では、「わたしの好きなピンターさん」と題しまして、シアター風姿花伝で上演された『帰郷/ホームカミング』について書かせていただきました。こちらはクリーム色、お運びくださいますと幸いです。
松山は筆者のふるさとから瀬戸内海をへだてたお向い、京都の街中で香り高い珈琲を味わいながら演劇や音楽を楽しんだり、どちらも非常に魅力的な公演、イベントをたくさん企画しておられるすてきな空間です。通信が訪れる方々のお目にとまり、楽しんでいただけますよう・・・。
梅雨のころ、以前から通信を設置していただいている神奈川県立青少年センター演劇資料室さまより「因幡屋通信をファイルし、永く保存したい」というお葉書を受けとりました。設置は2007年5月の26号からですので、それ以前のものふくめ、欠号のナンバーを調べてくださいまして、「該当の号を送っていただければ」とのおたよりだったのです。
資料ご担当の荒井賢一さんから「将来若い人たちが参考にできるよう、ぜんぶ揃えてきちんと保存したい」と言っていただいて、大変嬉しく光栄に思いました。資料室の演劇関係の書籍、プログラムなどは種類も数も膨大で、すべてボランティアで運営なさっている由、頭が下がります。こういう方々のお働きによって演劇が支えられているのですね。
今回の劇評のタイトル「継続は力かも」にも関係しますが、因幡屋通信を発行して今年で15年になりました。誰に言われたわけではなく、自分が書きたくて書いているものであり、媒体の性質上、利益を生むことはありません。
これまで何度か「継続は力なりですね」ということばをいただくことがありました。むろん励ましであり、ありがたいと思います。しかしながら、「これを誰が必要としているのか、しょせん自己満足の趣味の延長で、続けるしか能がないことではないのか」という思いに駆られるのも確かでした。身内や知り合いのよしみで読んでくださっている方からの評価というのはどうしても甘くなりますし、ひねくれた言い方になりますが、「ほかに褒めようがないし、ともかく続けているのは偉いね」というニュアンスを感じたことも少なからずあったのです。
客観的な評価を得てはじめて、「続けてきた意味があったのだ」と実感できる。何とかその手ごたえを得たい。そう思いつづけてきましたから、演劇資料室さんからのお声掛けは大変思いがけないものでした。因幡屋通信が演劇を志す若い人たちの役に立つのかはわかりません。 しかし明日あさってで答がでるものではなく、まだ会ったことのない方々、もしかすると自分がこの世での人生を終えたあとに読んでくださる方があるかもしれない。自分の満足だけでなく、これから通信を通して出会うかもしれない方々のことを考えながら、心を新たにがんばります。
先月スル―してしまった俳句日記を書きたいのですが(1,2,3)、句会の内容がぎっしりでうまくまとまらず。句会後の懇親会でも実のある話をたくさんしたはずなのですが、べつの話題で盛り上がりすぎまして(苦笑)、頭が整理されておりません。後日あらためて書かせていただきます。
10月の兼題は「露寒」(つゆさむ)と「葡萄」。おっと来月は木挽町句会もありまして、こちらは「柿」です。
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