なるほど、こういう人たちが、あの「字幕」をつけてくれていたのですね。記録しておきましょう。
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字幕速記人 特製機械で1秒6文字!ニュース番組数秒遅れで対応
テレビがデジタル化され、各家庭でもスイッチ一つで字幕放送が見られる。聴覚障がい者のためだけでなく、騒音環境での視聴、ワンセグなど、用途が広がっている。生放送のニュース番組にほんの数秒の遅れで表示されていく字幕の裏には、目にも止まらぬ速さで入力していく“字幕速記人”がいた。
平日の午前11時30分。東京都港区のスタジオでフジテレビのニュース番組「スピーク」が始まる。同時に、新宿区内にある生放送字幕入力会社「スピードワープロ字幕放送センター」でも、緊張に満ちた時間が始まる。
ニュース番組が映し出されたテレビと入力字幕が映し出されるモニターが置かれた部屋では「ステノキャプショナー(字幕速記人)」という専門家たちが、アナウンサーの言葉を聞き取りながらキーボードを叩く。1〜2秒後には、入力した文字が画面の下に流れた。
ひと番組の字幕は、入力者や校正者が複数人のチームで入力する。その中の一人、川崎衣里子(40)は、1分間に350文字以上、1秒間に5、6文字を叩く。キーボードは同社が開発した特製品。普通のパソコンとは違い、文字部分の入力キーは10個。川崎の10指は絶え間なく動き、ピアノを演奏しているようだった。“字幕速記人”の魅力について「入力が無事に終わった時の達成感ですかね」と話す。
大学卒業後、入社したメーカーの事務職を「つまらない」と感じていた。何か資格でも取ろうか、そう思ってめくった情報誌「ケイコとマナブ」で字幕入力を知り、仕事をしながら学校に通った。
特別、入力が得意だったわけではない。「せっかちな性格が良かったのか。ただただ、速く打てるようになるのが楽しくて」とのめり込み、通勤電車の中でもテキストを見ながら膝の上で指を動かした。3年間通学し、1分間で300文字以上打てる技術を習得。27歳で転職した。
この仕事に意義を感じたのは、知人を介して聴覚障がい者に会った時だ。「いつもありがとう」とお礼を言われた。「社会に少しは役立っているのかなと思った」と話した。
努力で身に付けた技術を誇りに思っているが、日常生活の思わぬところで困ることもある。カラオケに行っても、画面の歌詞を見て指が動きだす。車でラジオを聴いている夫に「指が動いちゃうから消して」と言ってしまうことなどだ。テレビ番組は365日、1日24時間、ほぼ休みなく放送される。5歳と1歳の息子がいるため夜間は免除してもらっているが、早朝や休日出勤もある。夫の協力はあるが「朝4時に起きて仕事に行く支度をしていると、子供が起きて“ママがいないと寂しい”と泣かれることもある。最初は自分も出勤しながら泣きました」と振り返った。育休を2回取ったが、仕事を辞めようとは思わなかった。「休んでいたら“打ちたいな”と思ってしまって」と笑った。
男女比が2対8と言われている、女性が主戦力の業界。川崎は後輩たちに対して「やめた方がいいのかなと思っても、何とか続けてほしい。続けることが技術を上げ、働くこと(の大切さ)がきっといつか子供にも伝わるから」と思っている。
最近、長男が「僕も大きくなったらテレビの文字を打つ仕事をする」と言いだした。「ちょっとジーンとしちゃいました」とママの顔。自分の技術に誇りを持ちながら、仕事と家庭の両立に悩み、?藤しながら働く女性たち。超高速で流れていく生放送の字幕には、そんな働く女性の気概も詰まっていた。=敬称略=
≪女性が主戦場 知識&技術求められる高給職≫ 「スピードワープロ字幕放送センター」は、速記者だった柴田邦博社長が2001年に立ち上げた。現在、フジテレビの「みんなのニュース」やNHK、その他民放各局の生放送字幕を手掛ける。スポーツ番組、バラエティー番組も担当する。同社の字幕速記人は、100人弱で99%が女性。「キーボードを打つという細かい作業や、集中力が女性に向いているのでは」と柴田氏。入力の正確性のほかに、日本語についての幅広い知識や判断力、時事問題への理解が必要とされる。技能が必要とされる仕事だけに「給料は明かせませんが、高給です」(柴田氏)という。
平日の午前11時30分。東京都港区のスタジオでフジテレビのニュース番組「スピーク」が始まる。同時に、新宿区内にある生放送字幕入力会社「スピードワープロ字幕放送センター」でも、緊張に満ちた時間が始まる。
ニュース番組が映し出されたテレビと入力字幕が映し出されるモニターが置かれた部屋では「ステノキャプショナー(字幕速記人)」という専門家たちが、アナウンサーの言葉を聞き取りながらキーボードを叩く。1〜2秒後には、入力した文字が画面の下に流れた。
ひと番組の字幕は、入力者や校正者が複数人のチームで入力する。その中の一人、川崎衣里子(40)は、1分間に350文字以上、1秒間に5、6文字を叩く。キーボードは同社が開発した特製品。普通のパソコンとは違い、文字部分の入力キーは10個。川崎の10指は絶え間なく動き、ピアノを演奏しているようだった。“字幕速記人”の魅力について「入力が無事に終わった時の達成感ですかね」と話す。
大学卒業後、入社したメーカーの事務職を「つまらない」と感じていた。何か資格でも取ろうか、そう思ってめくった情報誌「ケイコとマナブ」で字幕入力を知り、仕事をしながら学校に通った。
特別、入力が得意だったわけではない。「せっかちな性格が良かったのか。ただただ、速く打てるようになるのが楽しくて」とのめり込み、通勤電車の中でもテキストを見ながら膝の上で指を動かした。3年間通学し、1分間で300文字以上打てる技術を習得。27歳で転職した。
この仕事に意義を感じたのは、知人を介して聴覚障がい者に会った時だ。「いつもありがとう」とお礼を言われた。「社会に少しは役立っているのかなと思った」と話した。
努力で身に付けた技術を誇りに思っているが、日常生活の思わぬところで困ることもある。カラオケに行っても、画面の歌詞を見て指が動きだす。車でラジオを聴いている夫に「指が動いちゃうから消して」と言ってしまうことなどだ。テレビ番組は365日、1日24時間、ほぼ休みなく放送される。5歳と1歳の息子がいるため夜間は免除してもらっているが、早朝や休日出勤もある。夫の協力はあるが「朝4時に起きて仕事に行く支度をしていると、子供が起きて“ママがいないと寂しい”と泣かれることもある。最初は自分も出勤しながら泣きました」と振り返った。育休を2回取ったが、仕事を辞めようとは思わなかった。「休んでいたら“打ちたいな”と思ってしまって」と笑った。
男女比が2対8と言われている、女性が主戦力の業界。川崎は後輩たちに対して「やめた方がいいのかなと思っても、何とか続けてほしい。続けることが技術を上げ、働くこと(の大切さ)がきっといつか子供にも伝わるから」と思っている。
最近、長男が「僕も大きくなったらテレビの文字を打つ仕事をする」と言いだした。「ちょっとジーンとしちゃいました」とママの顔。自分の技術に誇りを持ちながら、仕事と家庭の両立に悩み、?藤しながら働く女性たち。超高速で流れていく生放送の字幕には、そんな働く女性の気概も詰まっていた。=敬称略=
≪女性が主戦場 知識&技術求められる高給職≫ 「スピードワープロ字幕放送センター」は、速記者だった柴田邦博社長が2001年に立ち上げた。現在、フジテレビの「みんなのニュース」やNHK、その他民放各局の生放送字幕を手掛ける。スポーツ番組、バラエティー番組も担当する。同社の字幕速記人は、100人弱で99%が女性。「キーボードを打つという細かい作業や、集中力が女性に向いているのでは」と柴田氏。入力の正確性のほかに、日本語についての幅広い知識や判断力、時事問題への理解が必要とされる。技能が必要とされる仕事だけに「給料は明かせませんが、高給です」(柴田氏)という。
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普段テレビをまったく見ない貧乏英語塾長ですが、たまにジムで運動しながら音を聴かずに字幕だけでニュースを見ることがあるので、字幕には助けられています。
その字幕はコンピューター制御により自動的につけられているのだと思っていました。こうして人間の手によるものとは、驚きです。コンピューターではできない人間業。何やらロマンを感じてしまいます。
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