たった30万人しかいないからできることといわずに、見習えるところは見習ってみるのはどうでしょう。
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軍隊の次は現金消える? 人口30万のアイスランド インフレの歴史背景に(産経新聞) - goo ニュース
2007年10月10日(水)06:05
軍隊もなければ、紙幣や硬貨も要らない。そんな近代国家が存在する。北極圏に接する人口30万の小国、アイスランド。30年前まで欧州最貧だった漁業国は大胆な構造改革を進め、今や国民1人当たりの豊かさで日本をしのぐ。現金の流通量が国内総生産(GDP)の1%と、世界で最もキャッシュレスに近づいた最北の島国の「不思議」を探った。(レイキャビク 木村正人)
1986年10月、時のレーガン米大統領とゴルバチョフ・ソ連書記長が冷戦終結について話し合ったのは、首都レイキャビクでだった。20年後、米軍再編で駐留米軍が完全撤退、アイスランドは軍隊がない国になった。防衛は警察と北大西洋条約機構(NATO)頼みという世界でも珍しい非武装国家ではしかし、別の戦争が進行していた。
「私は現金撲滅戦争と呼ぶ」。同国のクレジットカード決済会社バルガンのラグナー・アンダーソン総支配人(55)はそう強調した。軍隊の次になくなるのは現金だといわんばかりである。
現金が消えつつある状況を示すデータがある。対GDP現金流通量だ。1960年に5%に近かったそれは85年以降、1%前後に低下、最も現金を使わない国になった。2002年当時のシンガポールの7・9%、米国の6%、英国の3・3%と比べても格段に低い。
といっても、日本のように“おサイフケータイ”やICカードが登場するわけではなく、クレジットカードとデビット(即時決済)カード、銀行のオンライン取引が主力だ。
首都在住の女性、イリス・オーマスドーディさん(23)は「デビットカードを初めて使ったのは13歳。何だか誇らしくて大人になった気がした。手伝いをすると、両親が私の銀行口座にオンラインでお駄賃を振り込んでくれた。家庭でもキャッシュレス」と笑う。
レストラン、小売店などで観察すると、現金を使うのは子供か、100クローナ(約190円)前後の少額の取引に限られている。同国ではデビットカードは12歳から、クレジットカードは18歳から持てる。国民1人当たりの保有カードは2・41枚、カード取引高(02年)は1万4357ドル(約166万円)で、2位の英国の4492ドル(約52万円)を引き離している。
キャッシュレスが進んだ背景に、硬貨や紙幣に描かれるタラやカラフトシシャモなどと深くかかわるこの国特有の事情がある。現地の銀行関係者はこんな見方を示す。
漁業が基幹産業だった20~30年前、漁獲量で水産物の値段が乱高下して経済が不安定化、年率30~40%ものインフレに悩まされた。中央銀行は紙幣増刷に疲れ果て、市中では現金の代わりに小切手が使われた。それがキャッシュレスの下地となり、そのうちカードが小切手に取って代わった。
こんな逸話がある。
04年12月のインド洋大津波の際に、同国政府は5日間で被災地にいた自国民を完全に把握した。「中央データベース(CDB)」というシステムがカード利用者の使用状況や口座残高を集中管理し、誰が、いつ、どこで何を買ったか、瞬時に追跡できる仕組みだからだ。
英作家ジョージ・オーウェルの小説、「1984」に登場する「ビッグ・ブラザー」ばりのCDBが、カード利用者の使い過ぎや不正に目を光らせ、支払い能力を超えたら即座にカードを停止する。「カードを使う方が現金を流通させるより安上がり。キャッシュレスが実現すれば、脱税や闇市場も駆逐できる」とアンダーソン氏は言う。
政府も中央銀行も、国内消費動向を翌朝には100%つかめ、的確な経済・金融政策が打てる。だが、時には居心地の悪さも伴う。子供が4人いるというタクシー運転手(43)は「妻に内証のおカネ? そんなことをしたら、すぐばれちゃうよ」と苦笑いした。
◇
【用語解説】アイスランド
面積10万3000平方キロ。地熱発電を利用、水素燃料やバイオ燃料など再生可能エネルギーの割合は7割で世界最高。タダ同然の電気を活用、アルミ精錬事業を拡大している。05年の経済成長率は7・5%、国民1人当たりのGDPは5万4427ドル(630万7000円)。英語に次いで日本語への関心が強い。政策金利は13%を超え、外貨預金は日本でも人気だ。
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普段から現金を極力使わず、スイカを使ったり、クレジット・カード決済をしているゴウ先生、「ビッグ・ブラザー」に管理されているという居心地の悪さよりも、アイスランド的利便性の方に軍配を上げます。
防衛まで他人任せというわけには行かない日本ですが(それでも実質上はそうなっている?)、キャッシュを減らすというのは、犯罪その他を減らすという観点からでも意味あることだと思います。
第一、現金を使わない生活は実に便利。使いすぎさえ予防するルールを各自適用すればよいのでしょう。ある意味、大人のやり方かもしれません。
アイスランド、恐るべしです。
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軍隊の次は現金消える? 人口30万のアイスランド インフレの歴史背景に(産経新聞) - goo ニュース
2007年10月10日(水)06:05
軍隊もなければ、紙幣や硬貨も要らない。そんな近代国家が存在する。北極圏に接する人口30万の小国、アイスランド。30年前まで欧州最貧だった漁業国は大胆な構造改革を進め、今や国民1人当たりの豊かさで日本をしのぐ。現金の流通量が国内総生産(GDP)の1%と、世界で最もキャッシュレスに近づいた最北の島国の「不思議」を探った。(レイキャビク 木村正人)
1986年10月、時のレーガン米大統領とゴルバチョフ・ソ連書記長が冷戦終結について話し合ったのは、首都レイキャビクでだった。20年後、米軍再編で駐留米軍が完全撤退、アイスランドは軍隊がない国になった。防衛は警察と北大西洋条約機構(NATO)頼みという世界でも珍しい非武装国家ではしかし、別の戦争が進行していた。
「私は現金撲滅戦争と呼ぶ」。同国のクレジットカード決済会社バルガンのラグナー・アンダーソン総支配人(55)はそう強調した。軍隊の次になくなるのは現金だといわんばかりである。
現金が消えつつある状況を示すデータがある。対GDP現金流通量だ。1960年に5%に近かったそれは85年以降、1%前後に低下、最も現金を使わない国になった。2002年当時のシンガポールの7・9%、米国の6%、英国の3・3%と比べても格段に低い。
といっても、日本のように“おサイフケータイ”やICカードが登場するわけではなく、クレジットカードとデビット(即時決済)カード、銀行のオンライン取引が主力だ。
首都在住の女性、イリス・オーマスドーディさん(23)は「デビットカードを初めて使ったのは13歳。何だか誇らしくて大人になった気がした。手伝いをすると、両親が私の銀行口座にオンラインでお駄賃を振り込んでくれた。家庭でもキャッシュレス」と笑う。
レストラン、小売店などで観察すると、現金を使うのは子供か、100クローナ(約190円)前後の少額の取引に限られている。同国ではデビットカードは12歳から、クレジットカードは18歳から持てる。国民1人当たりの保有カードは2・41枚、カード取引高(02年)は1万4357ドル(約166万円)で、2位の英国の4492ドル(約52万円)を引き離している。
キャッシュレスが進んだ背景に、硬貨や紙幣に描かれるタラやカラフトシシャモなどと深くかかわるこの国特有の事情がある。現地の銀行関係者はこんな見方を示す。
漁業が基幹産業だった20~30年前、漁獲量で水産物の値段が乱高下して経済が不安定化、年率30~40%ものインフレに悩まされた。中央銀行は紙幣増刷に疲れ果て、市中では現金の代わりに小切手が使われた。それがキャッシュレスの下地となり、そのうちカードが小切手に取って代わった。
こんな逸話がある。
04年12月のインド洋大津波の際に、同国政府は5日間で被災地にいた自国民を完全に把握した。「中央データベース(CDB)」というシステムがカード利用者の使用状況や口座残高を集中管理し、誰が、いつ、どこで何を買ったか、瞬時に追跡できる仕組みだからだ。
英作家ジョージ・オーウェルの小説、「1984」に登場する「ビッグ・ブラザー」ばりのCDBが、カード利用者の使い過ぎや不正に目を光らせ、支払い能力を超えたら即座にカードを停止する。「カードを使う方が現金を流通させるより安上がり。キャッシュレスが実現すれば、脱税や闇市場も駆逐できる」とアンダーソン氏は言う。
政府も中央銀行も、国内消費動向を翌朝には100%つかめ、的確な経済・金融政策が打てる。だが、時には居心地の悪さも伴う。子供が4人いるというタクシー運転手(43)は「妻に内証のおカネ? そんなことをしたら、すぐばれちゃうよ」と苦笑いした。
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【用語解説】アイスランド
面積10万3000平方キロ。地熱発電を利用、水素燃料やバイオ燃料など再生可能エネルギーの割合は7割で世界最高。タダ同然の電気を活用、アルミ精錬事業を拡大している。05年の経済成長率は7・5%、国民1人当たりのGDPは5万4427ドル(630万7000円)。英語に次いで日本語への関心が強い。政策金利は13%を超え、外貨預金は日本でも人気だ。
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普段から現金を極力使わず、スイカを使ったり、クレジット・カード決済をしているゴウ先生、「ビッグ・ブラザー」に管理されているという居心地の悪さよりも、アイスランド的利便性の方に軍配を上げます。
防衛まで他人任せというわけには行かない日本ですが(それでも実質上はそうなっている?)、キャッシュを減らすというのは、犯罪その他を減らすという観点からでも意味あることだと思います。
第一、現金を使わない生活は実に便利。使いすぎさえ予防するルールを各自適用すればよいのでしょう。ある意味、大人のやり方かもしれません。
アイスランド、恐るべしです。