もの凄く強い井山裕太六冠が、戻ってきました。
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囲碁の第72期本因坊戦七番勝負(毎日新聞社主催)の第4局が15、16の両日、福岡県みやこ町で行われ、井山裕太本因坊(28)が204手までで、七大タイトル初挑戦の本木克弥八段(21)に白番中押し勝ちし、4連勝で6連覇を達成した。十段・棋聖・王座・天元・碁聖とあわせ6冠を堅持、タイトル獲得は通算44期になった。
井山本因坊は昨年11月に名人を失冠、七大タイトル独占状態から後退した。しかしその後、王座、天元を防衛。今年に入ってからも棋聖、十段の防衛に成功した。高尾紳路名人(40)への挑戦権を9人が総当たりで争う第42期名人戦リーグでは6連勝と首位に立っており、残り2局で1勝すれば、名人戦七番勝負へ出場できる。再び七冠が視野に入ってくる。
福岡県みやこ町のサン・グレートみやこで15日から打たれた第72期本因坊決定戦七番勝負第4局(毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛、みやこ町実行委、QTNet共催)は16日午後5時35分、204手で本因坊文裕(もんゆう、28)=井山裕太九段=が挑戦者の本木克弥八段(21)に白番中押し勝ちし、4連勝で6連覇を達成した。棋聖、王座、天元、碁聖、十段との6冠を堅持した。残り時間は文裕1時間14分、本木17分。
6連覇は、二十五世治勲=趙治勲九段=(10連覇)、二十二世秀格=高川格九段=(9連覇)、二十三世栄寿=坂田栄男九段=(7連覇)に次ぐ快挙。本因坊戦が第4局で決着するのは、二十五世治勲が9連覇を達成した1997年の第52期以来、20年ぶりとなる。【最上聡】
◇本因坊文裕(ほんいんぼう・もんゆう)
井山裕太(いやま・ゆうた)九段。1989年、東大阪市生まれ。2002年、入段(プロ入り)。16年に7冠を達成、本因坊戦5連覇で永世本因坊(二十六世)の資格を得た。タイトル獲得、優勝回数は44回。
本因坊文裕(もんゆう、28)=井山裕太九段=が、初めて無敗で本因坊戦を制した。福岡県みやこ町のサン・グレートみやこで打たれた第72期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛、みやこ町実行委、QTNet共催)は16日、文裕が本木克弥八段(21)を降して6連覇を決めた。大局観の明るさ、ヨミの正確さ、最後まで緩まない厳しさ。日本の第一人者、文裕の一層の充実ぶりが際立ったシリーズだった。
序盤から激しい接近戦となった第4局。右下の競り合いで、白番の文裕はペースをつかんだ。下辺で本木に錯覚もあり、難解な競り合いが続いたが、文裕はリードを保ち、最後は堅実に逃げ切った。本木は勝負手を連発したが、及ばなかった。
今シリーズの文裕は、リラックスしていると評判だった。対局では持ち時間を使いすぎず、決断の良い着手が目立った。本因坊戦の合間、先月末に出場した韓国での国際棋戦、LG杯でも連勝でベスト8に進出した。
昨秋、7冠から後退し、今春は囲碁の人工知能、中韓トップ棋士との戦いに3連敗した。しかし文裕は試練を糧に隙(すき)を無くし、結果を残した。残る1冠の名人も、挑戦者を決めるリーグ戦でトップを走っており、7冠復帰も視野に入ってきた。
7大タイトル戦初挑戦の本木は、本来の手厚い打ち回しを好調の文裕に封じられ、実力を発揮する前にシリーズを終えた。粘りある戦い方、体力などを鍛え、ひのき舞台に戻ってくることが期待される。【最上聡】
本因坊文裕の話 1日目から流れは良かった。左下の地を確保し、いけるかと。毎局難しい碁ばかりだったが力は出し切れた。今の自分の状態はまずまず。今後も納得のいく碁を打ち続けたい。
本木克弥八段の話 下辺で錯覚があり、白に先手で右上に回られては苦しい。ずっと我慢の展開となった。実力不足、本因坊との力の差を感じた。いろいろ課題があるので、頑張りたい。
◇本因坊文裕(ほんいんぼう・もんゆう)
井山裕太(いやま・ゆうた)九段。1989年、東大阪市生まれ。2002年、入段(プロ入り)。16年に7冠を達成、本因坊戦5連覇で永世本因坊(二十六世)の資格を得た。タイトル獲得、優勝回数は44回。
無傷の4連勝で第72期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)を制した本因坊文裕(28)=井山裕太九段=は、第4局から一夜明けた17日、宿泊した福岡県行橋市で「結果よりも内容で納得できるシリーズにできて良かった」と振り返った。
本木克弥八段(21)を降して6連覇し、6冠を堅持。「迷いなく決断でき、良いペースで打てた」と調子の良さを感じていた。将棋で藤井聡太四段(14)の連勝が大きな話題になっているが、文裕は2015年、7大タイトル戦を交えつつ、囲碁界歴代2位の24連勝を記録している。「そのころよりも、内容は充実している」という手応えだ。
本因坊戦では、二十五世本因坊治勲=趙治勲九段=の10連覇という大記録がある。「碁を始めたころ治勲先生が連覇していて、子どもながらに、こんな記録は破られないと思っていた。連覇はいっとき強いだけではできない大きな目標。少しでも近づければ」と決意を示した。【最上聡】
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この人が強いのは、当たり前。「もの凄く」強くないと、ファンは納得しません。その意味で、今回の本因坊戦は、ここ数か月ファンをもやもやさせていたものを吹っ切ってくれた圧勝ぶりで、うれしい限りです。
次は、6月22日から始まる碁聖戦です。元棋聖、名人、本因坊であった強豪・山下敬吾九段が、牙をとがらせて立ち向かってきます。これを乗り切れば、名人戦挑戦となり、七冠復帰が見えてきます。
そこで七冠復帰となれば、11月にLG杯の準々決勝が待っており、「日本の井山」から「世界の井山」へ飛躍してくれるものと、ファンは望んでいます。
本因坊戦の疲れは、4戦すべて早めの終局でしたし、それほどないはず。碁聖戦、名人戦と圧勝し、LG杯をつかんでください。ファンは、「とてつもなく強い」井山六冠を待ち望んでいます。
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