囲碁の最年少プロ、仲邑菫(なかむら・すみれ)初段(10)が16日、大阪市の日本棋院関西総本部で打たれた第59期十段戦予選Cで、公式戦初の男性棋士との対局に臨み、黒番の古田直義四段(50)に235手までで1目半勝ちした。初の七大棋戦の予選で、記念すべき初白星を挙げ、公式戦3連勝とした。

2つの初体験をクリアした。今年4月にプロデビュー後、持ち時間各3時間の昼食休憩をはさむ、長丁場の棋戦は初めて。しかも公式戦で男性棋士と対局も初めて。昼食を含め8時間を超える大熱戦。普通の小学生なら長時間、イスに座り続けることも“苦痛”だが、集中力を切らさず打ち続け、僅差の勝負を制した。 終局後、仲邑は「勝ててうれしい」と、はにかんだ。初体験の長丁場には「長かった。でも思ったよりも長くなかった。結構疲れました」とコメント。

母の後押しもあった。昼食の“勝負メシ”は元囲碁インストラクターで母の幸(みゆき)さん(38)の手作り弁当には、自らがリクエストした大好きな青椒肉絲(チンジャオロースー)と卵焼きが入っていた。「元気が出た?」の質問には笑顔でうなずいた。午後からは、ラムネとチョコレートを持って入室した。

黒星を喫した古田は終局後、右手を頭に当て、天を仰ぐシーンも。注目のカードになり「今回はいろんな意味でしんどかった。盤面以外のことでも」と肩を落とした。

午前10時から始まり、昼休憩の45分をはさみ、終局時間は午後6時17分。幸さんは「いつもならもうすぐ寝る準備を始めている時間。きょうは特別ですね」。これで公式戦は3勝1敗。初めてを2つ乗り越え、大きな自信になった。これからも勝ち星を重ねていく。【松浦隆司】

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プロとして認めてもらうためには、勝つことしかありません。それは、年齢には関係ないこと。史上最年少ということで注目される仲邑初段にしても同じです。

何をするにつけ注目されるこの人には、勝ち続けてもらいたいものです。幸い、囲碁の勉強好きといいますから、希望は大です。