決して「運」ではありません。これがこの人の実力です。
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井山棋聖が挑戦権獲得 囲碁名人戦、「大三冠」めざす
朝日新聞 2013年08月05日23時08分
【伊藤衆生】第38期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は5日、大阪市北区の日本棋院関西総本部で同率1位同士によるプレーオフが打たれ、井山裕太棋聖(24)=本因坊、天元、王座、碁聖をあわせ五冠=が河野臨(こうのりん)九段(32)に黒番中押し勝ちし、山下敬吾名人(34)への挑戦権を獲得した。七番勝負は9月5日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で開幕する。
第34、35期名人の井山棋聖は、2年前にタイトルを奪われた山下名人への雪辱戦に臨む。七大タイトルの中でも、七番勝負で争う名人、棋聖、本因坊は三大タイトルと呼ばれる。井山棋聖は今回、史上2人目の「大三冠」(三大タイトル独占)をめざす。山下名人には3連覇がかかる。
リーグ最終戦でも挑戦者が決まらず、6勝2敗同士が挑戦権をかけて対決したこの日の一局。黒番の井山棋聖は、河野九段の弱点を巧みにつきながら相手陣に突入し、大激戦に持ち込んで勝利をつかんだ。
井山棋聖は6月のリーグ第7戦で2敗目を喫して自力優勝の可能性がなくなっていたが、最終戦で河野九段が首位を行く張栩九段を破ったことからプレーオフ進出が決まった。
井山棋聖は大阪府東大阪市出身で、石井邦生九段門下。12歳で日本棋院関西総本部所属の棋士になった。16歳4カ月で史上最年少の公式戦優勝、2009年には七大タイトル戦史上最年少の20歳4カ月で名人となった。今年3月、現行タイトル戦における史上初の六冠となり、あわせて史上3人目のグランドスラム(通算七冠制覇)を達成。4月に十段を失冠したが、名人戦で再び六冠をめざすことになる。井山棋聖は今年の七大タイトルすべての挑戦手合に登場することも決まった。
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井山棋聖の話 2敗目を喫したときは今期の挑戦はだめかと思っていた。運がよかったとしか言いようがない。また七番勝負に出ることができて本当にうれしい。2年前の借りを返したい。
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今期は挑戦権を得ることができないだろうと思っていたら、このしぶとさ。囲碁ファンとしては、頼もしい限りです。
しかし、名人戦の前に、昨日対戦した河野九段から挑戦を受けている碁聖戦の第4戦が8月9日(金)に待っています。いまのところ井山棋聖の1勝2敗。次で負ければ、碁聖が奪われるわけです。次に勝って、やっと8月23日(金)に防衛を賭けることになります。
いまいちばん打てている河野九段に、連勝できるのか。井山棋聖の熱い夏は、まだ終わりません。
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