真梨子さん、大変でしたね。
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(語る 人生の贈りもの)高橋真梨子:9 何もできない、涙止まらぬ日々
朝日新聞 2018年8月2日05時00分
夫のヘンリー広瀬(右)と=2010年、鈴木好之撮影
■歌手・高橋真梨子
40歳を過ぎた頃から、めまいや手足のしびれ、汗、のぼせに悩まされるようになりました。1996年のレコーディングで違和感を覚えて病院に行ったら、更年期のせいだと医者に言われたんです。
《97年春のコンサートツアーは秋に延期となった》
全く外に出なくなりました。ヘンリーさんには「外に出て紫外線を浴びて」「食事をしないといけないよ」といつも言われていたけれど、全然そういう気力が起きなくて……。
あるとき、彼が自転車を2台買ってきて、強引に連れ出されたんです。彼の後ろについて自転車をこいでいたら、ぽろぽろぽろぽろと涙が止まらなくなった。なんでこんなことになっちゃったの、なんで何もできないんだろうって、自分自身がつらくて、泣きながらこいだんです。
帰りにご近所の方とバッタリ会って、私の泣いている顔を見たら、その方も「いやだ、もう、真梨子さん」と泣いてしまいました。
とにかくこの頃は、自分でも「なんでそんなに泣くの?」と不思議なぐらい涙が止まらなかったですね。
そんなとき、母のがんがわかりました。私がこんなことをしている場合じゃない、母のためにできることを精いっぱいやろうと気持ちを切り替えて、看病に打ち込むようにしたんです。
《98年9月、コンサートで突然声が出にくくなるアクシデントに見舞われた》
ヘンリーさんには「歌えてるよ」と言われたけど、私には違和感があった。母の看病疲れで、自律神経がおかしくなったんだと思います。
《母の死後、再び引きこもる日々が続く。「まじめで歌も妥協しないから、体調が悪いのに歌っていいのかと悩んでしまう」と夫のヘンリー広瀬は言う。2011年の東日本大震災の衝撃もあった》
震災のつらいニュースばかり流れていた頃、親しい友達がスキルス性胃がんと診断されて亡くなりました。それですっかり落ち込んじゃったんです。(聞き手・坂本真子)
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コンサートに行くのが好きではありません。CDで聴いているほうが、ライブの雰囲気に酔わずにすまず、真剣に歌を聴けるので好きです。ゆえに、真梨子さんのコンサートには行ったこともなく、せいぜい当英語塾INDECの会員がBDに焼いてくれたNHKの『SONGS』に出たものやYouTubeで唄う姿を観るくらいです。
TVももちませんし、ゴシップねたも追いかけません。なので、この連載にに書かれていることは、今回初めて知ることが多いことでした。有名人で更年期障害。更年期障害だけでも大変なのに、真梨子さんはどれだけつらかったのでしょう。歌ばかりを聴いて勇気をもらっている人間としては、恥じ入るばかりです。
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