佐藤通弘:三味線、ジョンゾーン:舌楽器
数年前、副島輝人さんの日本フリージャズ史を読んだときこのレコードが印象に残り、
長年さがしていたところ、先日Universoundsで発見し即購入。日本フリージャズ史による
と津軽三味線奏者であった佐藤通弘のライブにジョンゾーンが足を運び、その後、ジョン
ゾーンが説得してこの録音がされたそうです。この録音の後、佐藤通弘は伝統音楽として
の三味線だけでなく即興演奏にも手をかけるようになったそうです。
タイトルどおり、極限までsaxで出せる音を追求しつづけるジョンゾーンと攻撃的で先鋭
的な三味線を演奏する佐藤通弘の対決が楽しめます。非常に緊張感がありながらもどこ
か暖かみを感じさせるのは自分が日本人だからなのかも。某レコード屋の店主いわく、
「三味線は世界でもっとも殺人的な音を出すんだよ」と。ジョンゾーンはNYのアバンギ
ャルドシーンの代表でもあり、違和感どころか相性良くきこえるのは必然なのかもしれま
せん。あまりみないレコードですが、80年代の即興音楽シーンでの世界的交流を体感でき
なかなか興味深い録音で聴いてもらいたい一枚です。
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日本フリージャズ史 価格:¥ 2,940(税込) 発売日:2002-04 |