「限定版」「限定生産」「初回版」「予約特典」「先着」
マニア殺しの文句を並べてみた。
ゲームに限らず、CD、DVD、コミックなど、
世の中には星の数ほどの「限定モノ」が溢れている。
そんな中、今や通常版を探すのが困難な状況になっているのがギャルゲー業界だ。
「ときめきメモリアル」の限定版が異常な高値をつけたのをきっかけに、
ギャルゲーと限定は切っても切れない関係になった。
通常版の定価に2000円~3000円上乗せするのが相場だが、
この価格設定がメーカーからすれば相当に美味しいらしい。
その昔アトラスの営業から聞いた話だが、限定版に同梱されるグッズ類は、
原価にしてだいたい200円~300円なのだそうだ。
そこに「限定」の2文字を付けただけで
9800円前後の高額商品が2万本捌けてしまうとくれば、
メーカーが限定版商法を止めないのも道理である。
そう言えば、会社が傾きかけた頃のアトラスは
限定版ばかり出していた気がする。
しかし、大手が仕掛ける予約特典競争の激化と共に、
ギャルゲーは今や血中ギャルゲー濃度の高いユーザーにしか
付いて行けない市場へと変化してきてしまった。
限定版のみが数千本売れて終わり、というパターンも増えてきた。
「通常版」があってこその「限定版」
という概念そのものが危うくなってきたのだ。
限定版とは数が少ないからこその限定なのではないのか。
通常版より限定版が売れてしまったら、もう通常版の存在意義はないだろう。
しかし、このところこのパターンが実に多いのだ。
先週発売になったPS2の「Monochrome」もその典型で、
発売直後の売り上げは限定版が5400本、通常版が1700本となっていた。
通常版の需要はもうないようにも思えるが・・・
そんな私の疑問を解消したのが
「ラーゼフォン」を発売したバンダイであった。
このソフトは限定版という形はとっておらず、
豪華版と通常版の2種類を製作した。
豪華版にはDVDが付いているが、通常版はDVDなしと分かりやすい。
他に違うところと言えばジャケットの絵柄が違うぐらいだ。
誰の目にも「これ、通常版要らないじゃん」と映ったはずなのだが、
さすがはキャラクタービジネスに長けたバンダイ、
私のような業界の末端にいる忍には予想もつかない読みを披露してくれた。
「この『ラーゼフォン』という商品はですね、
とにかく濃いファンが多いんですよ。
もう『ラーゼフォン』と付いたら何でも買っちゃう、
みたいなファンがいまして。
だから通常版も数枚は仕入れといて下さい。
通常版のジャケットのデザインが違うでしょ?
もうこれだけで買ってくれますから。
豪華版は開けずに置いといて、遊ぶ用に通常版を買う人も絶対いますから。
開封して遊ぶように豪華版2個、通常版1個ってのも有り得ますね。
そういうファンに支えられたタイトルですから。。。」
要するに、通常版は今や「もうひと稼ぎ」の為のアイテムというわけだ。
私からすれば阿漕としか言いようがないのだが、
結局は買った本人が満足していればそれでいいわけで、
ギャルゲーファンは皆金持ちであるな、という結論に達した。
ユーザー1人あたりの業界貢献度No.1は間違いなくギャルゲーファンだろう。
毎度ありがとうございます。
*『ラーゼフォン』はギャルゲーというよりキャラゲーだとは思うが、
販売スタイルの一例として挙げさせてもらった。
マニア殺しの文句を並べてみた。
ゲームに限らず、CD、DVD、コミックなど、
世の中には星の数ほどの「限定モノ」が溢れている。
そんな中、今や通常版を探すのが困難な状況になっているのがギャルゲー業界だ。
「ときめきメモリアル」の限定版が異常な高値をつけたのをきっかけに、
ギャルゲーと限定は切っても切れない関係になった。
通常版の定価に2000円~3000円上乗せするのが相場だが、
この価格設定がメーカーからすれば相当に美味しいらしい。
その昔アトラスの営業から聞いた話だが、限定版に同梱されるグッズ類は、
原価にしてだいたい200円~300円なのだそうだ。
そこに「限定」の2文字を付けただけで
9800円前後の高額商品が2万本捌けてしまうとくれば、
メーカーが限定版商法を止めないのも道理である。
そう言えば、会社が傾きかけた頃のアトラスは
限定版ばかり出していた気がする。
しかし、大手が仕掛ける予約特典競争の激化と共に、
ギャルゲーは今や血中ギャルゲー濃度の高いユーザーにしか
付いて行けない市場へと変化してきてしまった。
限定版のみが数千本売れて終わり、というパターンも増えてきた。
「通常版」があってこその「限定版」
という概念そのものが危うくなってきたのだ。
限定版とは数が少ないからこその限定なのではないのか。
通常版より限定版が売れてしまったら、もう通常版の存在意義はないだろう。
しかし、このところこのパターンが実に多いのだ。
先週発売になったPS2の「Monochrome」もその典型で、
発売直後の売り上げは限定版が5400本、通常版が1700本となっていた。
通常版の需要はもうないようにも思えるが・・・
そんな私の疑問を解消したのが
「ラーゼフォン」を発売したバンダイであった。
このソフトは限定版という形はとっておらず、
豪華版と通常版の2種類を製作した。
豪華版にはDVDが付いているが、通常版はDVDなしと分かりやすい。
他に違うところと言えばジャケットの絵柄が違うぐらいだ。
誰の目にも「これ、通常版要らないじゃん」と映ったはずなのだが、
さすがはキャラクタービジネスに長けたバンダイ、
私のような業界の末端にいる忍には予想もつかない読みを披露してくれた。
「この『ラーゼフォン』という商品はですね、
とにかく濃いファンが多いんですよ。
もう『ラーゼフォン』と付いたら何でも買っちゃう、
みたいなファンがいまして。
だから通常版も数枚は仕入れといて下さい。
通常版のジャケットのデザインが違うでしょ?
もうこれだけで買ってくれますから。
豪華版は開けずに置いといて、遊ぶ用に通常版を買う人も絶対いますから。
開封して遊ぶように豪華版2個、通常版1個ってのも有り得ますね。
そういうファンに支えられたタイトルですから。。。」
要するに、通常版は今や「もうひと稼ぎ」の為のアイテムというわけだ。
私からすれば阿漕としか言いようがないのだが、
結局は買った本人が満足していればそれでいいわけで、
ギャルゲーファンは皆金持ちであるな、という結論に達した。
ユーザー1人あたりの業界貢献度No.1は間違いなくギャルゲーファンだろう。
毎度ありがとうございます。
*『ラーゼフォン』はギャルゲーというよりキャラゲーだとは思うが、
販売スタイルの一例として挙げさせてもらった。