忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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饒舌なジグソウは嫌だ「SAW2/ソウ2」

2005年10月29日 | 作品紹介(映画・ドラマ)


角川エンタテインメント
ソウ2 DTSエディション

前作からきっちり1年で早くも「SAW」の続編が登場した。
若干27歳で監督デビューを果たした前作の監督ジェームズ・ワンは
今作で早くも製作に回り、新人のダーレン・リン・バウズマンを抜擢している。
「SAW」の鮮度を保つには馴れ合いはいかん、という
ジェームズ・ワンのこだわりなのであろうか。
これが吉と出たか、凶と出たかと言えば・・・

私は、この作品は続編は無いと思っていた。
無い、というか、「作らないで欲しい」といった方が適切か。
「SAW」のオチは、一度きりだからこそ許されるものだったからだ。
既に切ってしまった「とっておきのカード」を封印され、
どう攻めてくるのかと思ったのだが、
キャッチコピーにはまたしても「最前列」の文字。
この時点でオチの半分は読めてしまったので、
残り半分をどう見せてくれるかに私の興味は移ったのだが、
全体的に前作のようなスピード感がなく、
もたもたしたテンポになってしまっている。
これは、「SAW」の緊張感のアップに一役買っていた
「密室」というキーワードが崩れてしまったからに他ならない。
今回はジグソウを問いつめる刑事達と、モニターに映る若者達が
ザッピングしつつ同時進行するため、どうしても場面転換が頻繁になり、
その都度緊張感がぷっつりと切れてしまうのだ。
前作ですら、「いっそバスルームだけに限定してはどうか」と書いた私にとって
今回の登場人物の増加と複数箇所での同時進行は無駄な贅肉としか思えなかった。
捕われる若者達の人数も多い割には描き切れておらず、
ならばいっそ減らせばと思ってしまった。

また、今回は序盤からジグソウが登場し、
尋問する刑事と延々と会話するのだが、これも必要なかったように思う。
レクター博士のように犯罪に美学を求める人物ならまだしも、
ジグソウはいわゆる「キ印」の人間である。
「キ印」の人間だからこそ、何をするかわからない怖さがあるのだ。
人生観を饒舌に語るジグソウなど、
「SAW」のファンが観たかったとは思えないのだが・・・

大オチは読めていたとはいえ、
後半の展開と「ある仕掛け」だけはなかなか上手く
一気にヒートアップしてくる。
それだけに、前半のもたもたが惜しい。

気になる部分ばかり書いたが、
では今作が失敗作かというと、決してそうではない。
あれだけのインパクトを残した作品の続編でここまで出来れば上等の部類だ。
「CUBE2」のような面汚しの続編ではないので、
過度の期待さえ持たなければ普通に楽しめると思う。
ただし、

■前作より遥かに残虐シーンが増えている
■前作を観ていなければ面白さ半減

なのは確実なので、ショッキングな映像が苦手な方と
今作から観ようと思っている方は要注意が必要だ。
私はDVDで復習してから観たのでより楽しめた。

【関連記事】

過去ログ:「若さ溢れるハイスピードサスペンス[SAW]」

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
  タイトル:SAW2 ソウ2
    配給:アスミック
   公開日:2005年10月29日
    監督:ダーレン・リン・バウズマン
   出演者:ドニー・ウォールバーグ、トビン・ベル 他
 公式サイト:http://saw2.jp/
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

コメント (11)
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