忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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Switch「人形の傷跡」記憶を紐解くサスペンスホラーの佳作

2022年08月30日 | 作品紹介(ゲーム)


▼今週発売の新作ダイジェスト


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▼Switch「人形の傷跡」記憶を紐解くサスペンスホラーの佳作


配信中■Switch:人形の傷跡(1.2GB)

コロナの後遺症で機動力の落ちている私に、いつもお世話になっているケムコ様より
お見舞いと共にいただいてしまったのが、「人形の傷跡」なるアドベンチャーゲーム(のコード)だった。
「千里の棋譜」のシナリオも手掛けた宮下英尚氏が
1999年に発表したアドベンチャーゲームをNintendo Switch向けにリメイク移植したもの。
予備知識のないタイトルだったのでまっさらな気持ちで遊べたのはラッキーだった。

Switch版の商品説明によると、オリジナル版からの進化した箇所は
グラフィックの刷新、BGMのリマスター、シナリオの追加(後半)、ザッピングシナリオを追加など。
清水崇のホラー映画でも「恐怖回避ばーじょん」があるように
本作もホラー要素の描写についてON/OFFが設定できるようになっている。
プレイを始めて2日、だいたい4時間ぐらいでクリア。
思ったよりも短かったが、良くできた短編映画を見たような読後感があった。

クリスマスまであと1週間に迫った12月の半ば。
突然消息を絶った姉を探しに東京に上京してきた主人公が
姉が所属していた研究室を訪れてみると、誰も姉のことを知らないという。
そんなはずはない、絶対にここに来ていたはずだと
関係者を訪ねて回るも、皆一様に口をつぐむのみ。
果たして姉はどこに消えてしまったのか、そしてこの研究室に隠された秘密とは...。


基本的には絵のついたサウンドノベルで、ストーリーを読み進めるだけの
テキストアドベンチャーなので有機ELの携帯モードでプレイ。
ところどころで選択肢が登場し、間違えた選択をするとバッドエンドになってしまう。
なんとなくこれを選ぶと殺られそうだなと予想がつきつつ選んでしまうあたりも
サウンドノベルっぽくて楽しい。
バッドエンドと言ってもセーブポイントまで大きく引き戻されるといった
理不尽な作りでははなく、なぜ失敗したのかのヒントと共に
選択肢の出る直前からやり直しが出来るのでユーザーのストレスはほとんどかからない。

「千里の棋譜」でも感じたのだが、宮下氏のシナリオは
300字で済む話を遠回りや道草を入れて1000字に引き伸ばすような、
テキストアドベンチャーにありがちなテンポの悪さがなく
導入部分でぐっと惹きつけてその後の展開もとても早い。
この物語も伸ばそうと思えば10時間ぐらいまで伸ばせたのだろうが
ストーリーの没入度と緊張感を阻害しないよう、テンポ重視にしているのだと思う。

肝になっているのは、人の持つ記憶。
幼い頃から積み重ねた記憶と、何者かの手によって植え付けられた記憶。
周囲からたっぷり注がれた愛情と造られた愛情の違いはどこにあるのだろう。
リアルでもフェイクでも、その想い出を支えとして生きてきた者にとっては
どちらでも本物と言えるのではないだろうか。
ジャンル分けで言えばホラーテイストのノベルではあるが、
カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」を彷彿する要素もあり
短編のSF小説のようでもある。

配信開始当初はセーブ機能にバグがあったようで
バージョン1.01にアップデートすることで概ね解消するとのこと。
アップデート後もまだセーブが上手く出来ない場合は
セーブファイルが破損している可能性があるため、一度セーブデータを消去すると良いらしい。
私は最初から問題なくセーブできていたので、これから新規で始める方には
おそらく発生しないものと思われる。

そのほかに気になった点は

・テキスト部分の背景が透過処理されていて後ろの絵と重なると読みづらい場面がある
・移動先を選ぶ際の十字キーの指定の仕方がおかしい
・バックログを確認してストーリーに戻るとBGMが消えてしまう(次の場面に進むと流れる)

操作に関しては、ボタンを使わなければ良いことに気付いてからは
ずっとタッチ操作で遊んでいたので移動先の指定も困ることはなかったが
やはり両対応である以上、テレビで遊ぶユーザーのためにもう少しきっちり仕上げて欲しかった。
絵の枚数がもう少し欲しかった気持ちもあるが、ストーリーの引きが十分強いので
私はさほど気にならなかった。

ミステリーとして見た場合に気になるのが、核心に迫る場面になると
途端に冗長な説明台詞が延々と続いてしまうこと。
どこと書くとネタバレになるので控えるが
「ここからネタバレ」とわかるような切り替えで説明が始まるのはやや興醒めしてしまう。
もっと物語の中に分散して、少しずつ真実が明らかになるような
ストーリーテリングをしてくれると、後半の感動も一入だったはず。

映画を1本見るような気持ちで、サクッと遊ぶには良いアドベンチャー。
クリア後には登場人物の視点で語られるザッピングシナリオも解禁になるので
私もこれから遊ぼうと思う。

Nintendo Switch「人形の傷跡」は現在配信中。



▼Switch/PS4「千里の棋譜」も再度紹介


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発売中■Switch/PS4:千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー~
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発売中■Switch/PS4:千里の棋譜 ~現代将棋ミステリー~

*過去ログより抜粋して再掲。

「FolksSoul~失われた伝承」の宮下英尚がシナリオを手がける
推理アドベンチャーゲーム「千里の棋譜」がNintendo SwitchとPS4で発売中。
音楽は「逆転裁判3.5.6」「逆転検事1.2」の岩垂徳行。
監修として高橋道雄九段、副監修に香川愛生女流三段を迎え、ミステリーの合間に詰将棋なども楽しめる。
『コマンド総当たり』と言われるクラシカルなタイプの
アドベンチャーが好きなので、東京ゲームショウで見かけた時から気になっていたタイトル。

美空ひばりや手塚治虫がAIで復元される世の中になってきたが
AIを使った進化をいち早く取り入れた娯楽が囲碁や将棋のテーブルゲームではないかと思う。
ゲームマシンの進化がゲーム内における強さとも密接に関係するジャンルだけあり
金沢、柿木、森田などの人気ブランドも多数生み出した。
より早く、より強くを求めた結果、2010年代に入ってからは
ついにAIの進化が人間と互角以上にまで”成長”し、プロ棋士をも脅かす存在となっている。
本作はそんな現代の将棋事情を投影しつつ、「3月のライオン」でも描かれた
奨励会の制度なども盛り込んだミステリーという欲張りな作り。
アドベンチャーゲームの体を借りた将棋が題材のミステリー小説といった趣で
物語の構成自体に「読ませる力」があるのが良い。
ジジィゲーマー向けに例えるなら「J.B.ハロルド」シリーズのような楽しさがある。

ゲーム内への将棋の組み込み方は、例えば手に入れたメモに詰将棋の棋譜が書いてあり
プレーヤーが解いてヒントに繋げるというミニゲームのスタイル。
物語を楽しませることが主題なので、クリアは自力でなくても構わない。
問題を解く前に自力で遊ぶか任せるかを聞かれるので、
将棋の知識があればチャレンジして頭の体操にすれば良いし
なければお任せで物語を進めることが出来る。
オートセーブを採用し、いつでもログを読み返すことができるなどシステム周りも手堅い作り。
目新しさは少ないもののクラシカルなテキストアドベンチャーがお好きなら。




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