▼待望の続編公開!映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」キレッキレのアッツアツ
本記事は、続編公開にあたり2015年6月にアメブロにて執筆した紹介記事
アップキレッキレのアッツアツ。映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を一部加筆・改稿したものです。
荒廃した近未来を舞台に、革や鋲をあしらった衣装デザインのモヒカン男や仮面男が闊歩する「マッドマックス」。
「北斗の拳」をはじめ、数多くの作品に影響を与えた世紀末クレイジー伝説が
1985年公開の「マッドマックス / サンダードーム」から30年振りに復活。
2003年の復活宣言から公開まで12年、イラク戦争や経済情勢などの影響を受けて
再開しては中止してを繰り返し、ついに完成&公開まで辿り着いた。
前3作で主演を務めたメル・ギブソンに代わり本作でマックス役を射止めたのは「ヴェノム」のトム・ハーディ。
共演はオスカー女優のシャーリーズ・セロン、「X-MEN」「ウォームボディーズ」のニコラス・ホルトなど。
製作・脚本・監督は前シリーズと同じくジョージ・ミラーが務める。
本作の設定は油に続いて水までが枯渇しかかっている荒廃した世界。
油を巡って派手な闘いが繰り広げられた「2」のもう少し後あたりだろうか。
残り少ない資源を独占し、周辺一帯を支配するイモータン・ジョーの手下に捕われたマックスは、
ジョーが抱える兵士の輸血袋として捕虜にされている。
そんな時、ジョーの右腕として活躍していた女戦士フュリオサが反旗を翻し、
ジョーの5人の妻を連れて水の溢れるオアシスへの逃亡を決行。
怒り狂ったジョーは大量の兵士と銃火器を従えてフュリオサの後を追う。
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『久しぶりに復活した「マッドマックス」を観に行く』人の期待を
100%裏切らないどころか、120%で歓迎するテンションの高さはどうだ。
「エイリアン」や「猿の惑星」など、ビッグバジェットシリーズの多くは続編やリメイクで
監督が交代して若返りを図り、オリジナルとは別の面白さを模索して続いている。
しかし「マッドマックス」は、今年(2015年)で古稀を迎えるジョージ・ミラーが監督を続投しており、
白熱のカーチェイスや放送禁止レベルの奇人達といったシリーズの魅力が
何ひとつ損なわれることなく、どころか全てがパワーアップしている。
余計な肉付けをせず「行って帰るだけ」の竹を割ったようなストーリーも痛快。
「悪魔のいけにえ」が「テキサスチェーンソー」になった時には
映像面の進化と引き換えにサブカル的な面白さは薄まってしまったが
本作は「マッドマックス」が「マッドマックス」であるために
何が欠けてはならないのか、どこを増強すればファンに喜んでもらえるのかを知り尽くした仕事ぶりである。
カメラワーク、車体デザイン、捕虜の吊るし方に至るまで旧シリーズを踏襲し、
本作ではさらにターセム(「イモータルズ」)的な美学までも追加。
さらには「呪怨」の俊雄君に似た子供が大量繁殖したり、「デンデラ」の如き婆さま集団がバイクに乗って暴れ回ったりと、
クレイジーさに拍車がかかり過ぎてヤバい。
公式が『#マッドマックスヤバい』をハッシュタグに設定するのも頷けるヤバさ。
ジャンキー・XLの爆音BGMも最高。
トム・ハーディ版のマックスは、寡黙で凄腕な設定は引き継がれているものの
メル・ギブソンほどの男臭さはなく、若干お洒落になった。
ダニエル・クレイグ版のジェームズ・ボンドに近いと言えばお分かりいただけるだろうか。
この辺は好みの問題なので、作品の出来不出来を左右するものではない。
ただ、サイドキャラクターのシャーリーズ・セロンとニコラス・ホルトが
主役を喰うほどの活躍を見せてくれるために、
もともと寡黙なマックスがやや空気化してしまったようにも思える。
「北斗の拳」で例えるならば、ケンシロウが北斗神拳を披露する前に
バットとマミヤさんで敵を片付けてしまったような感じである。
3D効果はそれほど高くないが、本作はこの世界観こそが魅力なので2Dでも充分。
前3作を見ていない若い世代にもお薦めできるし、
観ている(Blu-rayやDVDを所有している)ファンなら涙でスクリーンが滲むレベルの快作。
あと2本撮って新3部作にする構想もあるそうなので、ジョージ・ミラーには長生きして欲しい。
映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」は2024年5月28日現在、
Amazonプライムビデオ、Netflix、U-NEXT、Huluにて見放題配信、
Apple TV+、Google Playでは有料レンタル中。
▼そして、フュリオサの物語へ...
05月31日公開■洋画:マッドマックス:フュリオサ
シャーリーズ・セロンが演じた最強の女戦士フュリオサを主人公にし
「怒りのデス・ロード」の前日譚として描かれる待望の続編「マッドマックス:フュリオサ」が31日より公開。
主演はNetflix「クイーンズ・ギャンビット」でチェスの天才少女を演じて世界的に注目され
「ラストナイト・イン・ソーホー」を始め次々と話題作への出演が続いているアニャ・テイラー=ジョイ。
セロンの若かりし頃を演じるには、ビジュアル的にも申し分なしのベストキャスティング。
共演は「マイティ・ソー」のクリス・ヘムズワース、トム・バーク、アリーラ・ブラウンなど。