忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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Netflix「我々の父親」単なる欲望か、歪んだ信仰か、楽天お買い物マラソン本日から

2022年05月23日 | 作品紹介(映画・ドラマ)


▼楽天お買い物マラソン、本日20時より


5月23日20時スタート★楽天お買い物マラソン 2022年5月度
5月28日09時スタート★Amazonタイムセール祭り 2022年5月度
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【プライム会員限定】クレカでAmazonギフト券にチャージすると0.5%還元

楽天お買い物マラソンは本日20時よりスタート。
Amazonのタイムセール祭りは楽天のセール終了翌朝という絶妙なスケジュール。
これまでそこそこ利用していた楽天デリバリーが7月24日でサービス終了との案内が届いた。
ポイントでの支払いが出来たりと、私としてはデリバリー系サービスで最も利用頻度が高かったので残念。
昨年のFoodpandaに続きDiDiフードも5月25日で日本から撤退するとのことで
残る大手はUber Eatsと出前館ぐらいだろうか。
楽天モバイルの尻拭いでデリバリーを畳むことになったのだろうか。うーむ。



▼Netflix「我々の父親」単なる欲望か、歪んだ信仰か


配信中■洋バラ:Netflixオリジナル|我々の父親

「Netflixオリジナルは見たいものがない」という指摘をしばしば見かける。
ドラマや映画の完成度にムラがあるのは事実で、ハズレを摑まされた方が不信感を募らせていくのも
仕方ない面もあるのだが、ただひとつ外さないジャンルがある。
それがドキュメンタリーだ。
オスカーを受賞した「イカロス」(2017年)あたりからドキュメンタリー制作に積極的なNetflixは、
スポンサーを持たない配信媒体の強みを最大限に活かして
異論の出そうなセンセーショナルな題材でも怯むことなく取材を敢行し作品にしてきた。
つい最近も、「IT」の題材になった殺人鬼ジョン・ウェイン・ゲイシー事件の真相に迫る
ドキュメンタリーを制作・配信したばかりで、こちらも非常に見応えのある力作だった。

そんなNetflixで5月半ばより配信されているのが「我々の父親」(原題は『OUR FATHER』)である。
ひとりの女性が自身のルーツを探るためDNA検査をしたところ、街中に近親者がいることがわかった。
戸惑いながら詳しく調べていくと、父親は町では有名な不妊治療の名医であったという驚愕の事実に辿り着く。
名士として住人から尊敬されている医師ドナルド・クラインは、一体何の目的でこのような行為に及んだのか。
製作は「ミスター・ガラス」「ハッピー・デス・デイ」「透明人間」「ハロウィン KILLS」「ゲットアウト」など
ホラー映画界のヒットメーカーとして知られるジェイソン・ブラム。

本作の制作時点で発覚したクラインのDNAを受け継ぐ子供の数は94人で、今現在も増えているという。
クラインがクリニックを開業したのは1979年。
当時不妊治療は医学の世界でまだ新しい分野であり、精子バンクやドナーカタログなどのシステムも整っていなかった。
担当医は患者から相談を受けると、成績優秀な医学研修生の中から依頼者の髪や目の色に近い男性を選び
彼らから精子提供を受けて注入するというシンプルな手順。
人工授精に対する認識が浸透していないこと、人工授精によって生まれた子供の法律上の父親が
誰になるのかという法的な基準が定められていなかったことなどがあり
数百人の医師が人工授精を請け負いながら、半数以上が記録を残していなかったという。
「精子提供者のプライバシー保護」という名目を悪用し、発展途上のシステムにつけ込んだクラインの犯罪行為は
2014年に最初の発見者が登場するまで35年間も表沙汰にならないままだった。
クラインは精子バンクのシステムが一般的になる1980年代後半には自身の精子の使用を止めており
多勢の兄弟姉妹を持っていたと気づく人々は、皆人生を折り返すぐらいの年齢に差し掛かっている。
私も同世代なので、思春期に知るよりは良かったかと思わないでもないが
では同じ問題が自分に降りかかった時にどんな精神状態でいられるかを想像することは難しい。
精子提供は、当事者達が事実を知らないまま近親相姦に及んでしまうことを防ぐため
ひとりあたり最大3人までにしか提供しないとのルールがある。
小さな町に約7年間(後の調査で1979年から86年までと判明)で94人もの同じ父から生まれた子がいれば
そうなってしまった事例は既に発生していたかも知れないし、兄弟間で子をもうけた可能性もゼロとは言い切れない。
総力を挙げて調査したところで、全てを明らかにすることは難しかろう。
このドキュメンタリーには数人の被害者が顔を出して怒りや悲しみを口にしている
(作品はドキュメンタリー部分と再現ドラマの部分が混在している)が
作品に登場しなかった(おそらく取材を断った)人達の中にも、取り返しの付かない傷を抱えた人もいるだろうし
「生まれてきた理由」を考えて眠れない夜を過ごしている人もいるかも知れない。

2017年12月、クラインはインディアナ州で裁判にかけられ、医師免許を剥奪されている。
わずか500ドルの罰金刑がこの長きに渡る悪夢のような犯罪行為に見合っているのかは甚だ疑問が残る。
「あくまでも医療行為であり、依頼者に対して性的な目的も性行為もなかった」とする
クラインの主張が認められての判決なのだろうが、
15回の不妊治療の末に生を受けた子供のひとりは
「15回レイプされた末に生を受けたようなものだ」とコメントしている。
両者の認識の溝を、法律は埋めてはくれない。

作中何度もクリニック内のあちこちに貼られた旧約聖書の言葉が映る。
特に「私は母の胎内に宿る前からあなたを知っていた」という、
「エレミヤ書」1:5の一節をクラインは好んで使っていたらしい。
全文を捕捉すると「私は母の胎内に宿る前からあなたを知っていた。
生まれる前から私の聖なる者として取っておき、国々に私の言葉を伝える者に任命していた」である。
クラインの信仰については何故かほんの少ししか取り上げられていないため
追いきれなかった理由があるのかと勘ぐってしまう。
この一節だけで「歪んだ信仰心」を犯行動機に断定するのは難しいが、全くの無関係でもないはず。

アメリカは津々浦々までFacebookが普及していて、鍵をつける人も少なかったからこそ
ここまで短期間(といっても既に5年が経過している)で巨大な家系図に膨れ上がったとも言える。
仮に日本で同様の事件が起こっていたら、こんなペースで事実が明らかになり
被害者同士が連携を取ってクラインを呼び出したりという展開も起こらなかったのではないか。

司法の協力を得られず苦心していた第一発見者がFOXニュースのキャスターにメールを出し
ひとりの女性キャスターの目に留まったことで事態が動いていく過程は
AppleTV+で配信中の「ザ・モーニングショー」のリース・ウィザースプーンを思い出す。
(立場的にはジェニファー・アニストンだが、性格的にはリースに近い)
日本のメディアはここまで一個人の訴えに耳を貸してくれるだろうかと考え込んでしまった。
オスカー受賞作の「スポットライト」然り、メディアに携わる人間としての矜持を見せてくれた
彼女の存在が、厚い雲のかかった本作に射し込む一筋の光だった。

Netflix「我々の父親」は現在配信中。



▼Kindleセールまとめ


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▼桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎



桑田佳祐 feat. 佐野元春, 世良公則, Char, 野口五郎という
同世代の5人によるオリジナル新曲「時代遅れのRock’n’Roll Band」が本日より配信開始。
電撃的に発表され、そのまますぐ配信のスピード感がいかにも現代的。
私の世代からすると、松任谷由実・小田和正・財津和夫による「今だから」を彷彿する豪華さ。
「なぜ野口五郎が?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれないが
野口五郎は知るひとぞ知る玄人はだしのギターテクニックの持ち主で
歌謡曲路線がメインだったシングルとは違いアルバムでは洋楽の香りがするアルバムを出していたりもする。
シティポップのブームによって昔のそういっや楽曲を集めたベストも出ていたりするのだ。
岩崎宏美とデュエット活動をしたり、西城秀樹の訃報を誰よりも悲しんでいた野口五郎が
ここ数年俄然音楽活動を活発化させているのを見ると嬉しくなる。


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