忍之閻魔帳

ゲームと映画が好きなジジィの雑記帳(不定期)。
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映画「空白」不器用さを受け入れながら生きていくしかない

2021年12月30日 | 作品紹介(映画・ドラマ)


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▼映画「空白」不器用さを受け入れながら生きていくしかない


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私が敬愛する日本映画の監督10人の中に入っている
(是枝裕和/吉田恵輔/吉田大八/西川美和/松居大悟/沖田修一/石井裕也/石川慶/白石和彌/李相日)
吉田恵輔監督の最新作は、交通事故で愛娘を失った父親が
事故の原因となったスーパーの店長を追い詰めていく人間ドラマ。
主演は古田新太、共演は松坂桃李、田畑智子、藤原季節、趣里、片岡礼子、寺島しのぶ。
吉田恵輔監督といえば、2008年の「純喫茶磯辺」から1本も逃さず全作品見ているほど
好きな監督なのだが、今回は持ち味のひとつであったコメディ要素を極力薄めながら
もうひとつの持ち味である不器用な人間達のドラマをさらに深掘りした作りになっている。

物語の大筋をざっと紹介しておくと、主人公の添田充(古田新太)は離婚歴のある漁師で
元妻(田畑智子)との間に生まれたひとり娘の花音(伊東蒼)と暮らしている。
ある日、万引き被害に悩まされている小さなスーパーで花音がマニキュアを盗むところを
店長の青柳直人(松坂桃李)が見つけ、その場で取り押さえるが
花音は店を飛び出して逃走し、青柳は必死に後を追う。
しかし逃走途中に道路に飛び出した花音は事故に遭い亡くなってしまう。
悲しみより怒りが先行する充は執拗に青柳に付きまとい、マスコミも巻き込んで事態は混迷を極めていく。

本作は和製「スリー・ビルボード」なのだと思う。
同じ邦画で、水谷豊が主演・監督を兼任した「轢き逃げ 最高の最悪な日」もあるが
印象としては「スリー・ビルボード」に近い。
日本特有のコミュニケーションや文化の違いなどが反映されてはいるものの
「スリー・ビルボード」の紹介時に書いた

娘を殺された母親を演じたフランシスの執念と自己嫌悪が
勧善懲悪では割り切れない現実的な問題の中でのたうち回り
時に人を傷つけ、時に自分を追い込んでしまう。その怒りや切なさが手に取るようにわかる。
片田舎の町の空気が映画全体を厚い雲で覆っている。


あたりはまさに本作の魅力に通じる。

映画の中で言及されてはいないが、元妻が妊娠中で出産間近であること
娘と暮らしているのが父親である時点で、充の離婚がどういった経緯だったのかは察しがつく。
充がいつも誰に対しても粗暴な態度をとっているのは、おそらく何か原因があってのことなのだろう。
怒りをコントロールできない充は娘の悩みに気づくことが出来ず
糸口を提示されても汲み取ることを怠り、取り返しのつかないことになってしまった。
後悔は業火となって充の身を焼き、ますます気難しい人間になっていってしまう。

万引きに悩む店主の青柳もまた、父親の異変に気付くことのできなかった過去を持ち
父の遺した地元の小さなスーパーを守っている。
青柳からすれば花音のような万引き犯は日常的にいたのだろうし
現行犯であれば捕まえ、逃げれば追うだろう。
青柳と充の関係は、似た者同士の引き起こした不幸な偶然であり
互いに歩み寄る気持ちさえあれば、ここまで拗れることなく終わっていた話なのかも知れない。
しかし、充と青柳を単純な善悪に色分けし、赤勝て白勝てと無責任に旗を振る
マスコミのせいで事態はどんどんややこしくなっていき、後戻りできないところまで進んでしまう。
万引きは悪、亡くなれば善、嫌がらせは悪、インタビュー拒否は悪、
状況変化でくるくると変わる報道姿勢によって民衆はいとも簡単に操られ
充にも青柳にも非難の声が届く。
面白可笑しく焚きつけている人間に矛先が向かわないあたりがいかにも日本的。

ボランティア活動に勤しむ一方で、無償の善を他者へと押し付ける寺島しのぶや
教え子を亡くし、ようやく生前のぞんざいな扱いを後悔する趣里など
充と青柳を取り囲む人々も皆不器用な自分を持て余しながら正しい道を模索し続けている。
真っ直ぐ生きることの難しさに悩む人々の群れでずっと信念を持って行動しているのが
充の船で働き、気性の荒さも受け入れて側を離れない人懐っこい性格の藤原季節と
花音を最初に轢いてしまった乗用車の運転手を娘に持つ片岡礼子の二人。
特に藤原季節は、息苦しさの充満する本作において唯一と言って良い清涼剤の役目を果たしている。
「さんかく」以来の吉田作品出演である田畑智子も、誰彼構わず刃を向ける充の性格を熟知した
元妻を上手く演じていて、さすが吉田監督は田畑智子を良くわかっているなと感心した。
そして何と言っても松坂桃李。
「新聞記者」「孤狼の血 LEVEL2」と立て続けに熱量の高い作品が続いているが
本作でもキャラの強い古田新太を受け止めつつ物語の土台を支えていて、受けの芝居の上手さは大御所俳優並み。
この先どこまで伸びていくのか楽しみ。

劇中少し出てくる青柳の痴漢の過去など、最後まではっきりさせないままの要素も複数あり、
グレーな中での問いかけに観客も答えを出せないまま物語は一応の結末へと辿り着く。
「スリー・ビルボード」ほどの強い希望は提示されないものの
「モヤモヤしながらでもやっていくしかないよね」という吉田監督のメッセージはどこまでも優しい。
不器用さや不寛容な自分が自分で嫌いでも、受け入れて明日を生きていくしかないのだ。

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▼「空白」と併せて観たい映画「スリー・ビルボード」


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私的には2018年度No.1作品。
娘をレイプされた挙げ句に殺された母親が、
なかなか犯人逮捕に至らない地元警察の不甲斐なさに腹を立て
自腹で広告看板を出したことから始まる人間ドラマ。
主演は1996年の「ファーゴ」以来、2度目のオスカー受賞となったフランシス・マクドーマンド。
共演はウディ・ハレルソン、サム・ロックウェル。
監督は「セブン・サイコパス」のマーティン・マクドナー。

とにかく脚本が尋常でないほどに練られていて、
初見では圧倒され過ぎてエンドロールで放心状態になってしまった。
劇場で見た時にはまだオスカーの結果が発表される前だったが
残りの候補作品を観なくとも「もうこれが作品賞でいいよ」と思えるほどの衝撃。

未解決事件の被害者の母親の心境は如何許りか。
それぞれの立場の人間達が、多少の言葉足らずはあれど
一部を除き真摯に対応していて、真犯人以外に明確な悪意の存在しない
片田舎の町の空気が映画全体を厚い雲で覆っている。

娘を殺された母親を演じたフランシスの執念と自己嫌悪が
勧善懲悪では割り切れない現実的な問題の中でのたうち回り
時に人を傷つけ、時に自分を追い込んでしまう。その怒りや切なさが手に取るようにわかる。
地元民から愛される警部や、差別意識の強い部下、うまい話にはすぐ乗るものの
権力には滅法弱い広告業者など、アンサンブルも素晴らしいの一言。

「ここで終わったら最高の映画だな」と感じたまさにその瞬間に
エンドロールに突入し、もうグゥの音も出なかった。
2015年のオスカーで作品賞を穫った「スポットライト」は
作品の背景を想うとやるせない気持ちになったりもしたのだが、
こちらは最後に提示される小さなピースが明るい未来を予感させてくれて
重苦しい作品でありながら観賞後の気持ちがすっきりするのが救い。
イーストウッドの「チェンジリング」に近い。
デル・トロ大好きな私ですら、今回ばかりは負けたなと思っていたほどである。
2018年度のオスカーは結局「シェイプ・オブ・ウォーター」が穫ったが
デルトロ好きの私ですら、今でもこちらが上だったろうと思っている。



▼映画「轢き逃げ -最高の最悪な日-」監修をつければ傑作になった可能性も(ダイジェスト)


過去記事からの抜粋。全文はこちら。

水谷豊が脚本と監督を兼任した2作目の長編映画。
ひとりの女性が被害に遭った轢き逃げ事件にスポットをあて、
事故発生時に現場から逃走した加害者とその友人、
何の前触れもなく最愛の娘の命を奪われた被害者家族双方の心情を描く。
出演は中山麻聖、石田法嗣、小林涼子、檀ふみ、毎熊克哉、岸部一徳。
水谷自身も被害者の父親役で出演している。

予告編が加害者と被害者それぞれの心理描写に力点を置いた
ヒューマンドラマのように作られていたので、傑作なのではとの予感もあった。
映画の中盤ぐらいまでは、芝居の付け方がやや大仰なことを除けば
予想していた通りで、期待値はゆるやかに上昇していたのだが…。

「シネマトゥデイ」に掲載された水谷のインタビューにこんなやり取りがある。

最後まで全部を決めて(脚本を)書いたわけではないんです。
だいたいストーリー上、大きく起きることのイメージがあり、
書き進めているうちに、別の世界が気になるんですね。
「さっき出てきた彼はどうなった?」「彼女は何をやっている?」
「その家族はどんなことを思っている?」……
そんなことを思いながら、どんどん進めていったんです。


この映画の展開が、まさにこのままなのだ。
加害者とその友人のやり取りをメインにした序盤は、緊張感たっぷりのカメラワークも相まって
特に事故が発生するまでの数分感は正視出来ないほどリアルだった。
しかし、被害者側の夫婦に目を移し、加害者の社内の立ち位置と
人間関係に枝葉を伸ばしていくうちに、
物語の骨子がどこにあるのかがどんどん曖昧になっていってしまう。
ドライビングテクニックに難のあるタクシーに乗せられたような
ダッチロールに求心力は低下し続け、ヒューマンドラマと思わせていた中盤までの展開を
一気に台無しにするサイコサスペンスへと変貌した時点で冷めてしまった。

脚本の不備はどれも些細なことで、ちょっと指摘すれば簡単に修正が出来たものばかり。
水谷豊の持ってきた脚本にクレームは付けられなかったのかも知れないが
法的な部分も含めた監修が付いていれば格段に良くなったはず。
本の不備を補うように良い芝居をしていた
岸辺一徳と檀ふみのおかげで、映画としてまとまってはいる。
特に檀ふみのラストの表情は、自身の喪失感が埋まらないまま
未来ある若者の心理状態を察して手を差し伸べる母性の強さが出ていて震えるほどの名演だった。

2作目の監督作品にしては光る部分もあり、3作目も観たいと思わせるだけの可能性は感じる。
次回作があるなら、兼業から足を洗って監督に専念してみてはどうか。



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