ヒルネボウ

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漫画の思い出  花輪和一(27) 『護法童子・巻之(二)』(双葉社)

2024-11-06 23:46:03 | 評論

   漫画の思い出

    花輪和一(27)

   『護法童子・巻之(二)』(双葉社)

「旅之八 水子沼」

「水子」は、捨て子のこと。

かなり無理な話。

子を捨てた母親が悔いる。そんな情景が、捨てられた少女たちに見える。ある少女は「あれは 嘘の世界よ」と一蹴する。別の少女は、嘘の世界に潜り込み、「あたしだけ 幸福に なってごめん」と喜ぶ。

不幸な現実と幸福な嘘のどちらを選ぶべきか。護法童子には解決できない。苦悩そのものが解脱の契機になる。そんな淡い夢で終わる。

作者は迷っているのだろう。

 

「旅之九 流転」

貧しく愚かな醜女が、病弱で邪魔な両親を殺す。彼女の両親を介護していた美女に騙されたからだ。性悪女は、地獄のような場所に墜ちる。護法童子は彼女を救おうとするが、できない。

真の主題は親殺しだ。作者は親殺しを正当化できないで、うろうろしている。

(終)


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