『冬のソナタ』を読む
「いつもその場所へ」(p145~172)
1 放送室で
ユジンとチュンサンはデートの約束をした。
*
「お前、父さんに会いに行った目的はなんなんだ?」
「どんな人なのか知りたかっただけだ」
「どんな人なのか知りたくてだと? それが理由なのか? なんでそんなことが知りたいんだ? 僕にこんなことをする理由はなんだ! 一体なぜだ!」
「……お前は持っているものが多すぎる」
「なんだと?」
「僕は、お前みたいになんでも持ってる奴を見ると、奪いたくなるんだ。それが理由だ」
「だからユジンに近づいたのか?」
ジュンサンは答える代わりに睨み返した。
「この野郎! 僕が嫌いなら直接言え! なぜユジンにちょっかいを出すんだ。ユジンは関係ないだろ」
興奮を隠せないサンヒョクがジュンサンの胸ぐらを摑(つか)んだ。
「好きでもないのに、僕に見せつけるためだったんだろ! どうなんだ。答えろ、ジュンサン! 僕に見せつけるためだったんだろ!」
「……ああ」
怒鳴るサンヒョクに向かって、ジュンサンが冷ややかに答えた。眼の血走ったサンヒョクがジュンサンを殴ろうとしたとき、扉が開き、青ざめたユジンが立っていた。
(上P155~156)
*
ユジンはデートの約束を反故にする。
サンヒョクは本当に豊かなのか。
(終)