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本当に使えるメモアプリはどれだ?:Evernoteとプレーンテキストと、紙とペン
パソコンやスマートフォン用のノートアプリがたくさん出ていますが、自分にぴったりなものを選ぶのはとても難しく、用途に合うものがなかなか見つからなかったりするものです。ノートアプリは大きくふたつに分けられると思います。ひとつは『Evernote』のように"何でも色々できるタイプ"。もうひとつは『Simplenote』のように"文章を打つだけ"に特化したものです。また人によってはノートアプリの方が使い勝手が良いと言う方と、紙とペンの方がしっくりくる方もいるようです。
ノートの使い方や、嗜好は人それぞれですので、ノートアプリに求めるものの視点にも違いがあるとは思いますが、大まかにいえばこれからお伝えする3つのカテゴリーに分類できると思います。ユーザーが学生であろうと、デザイナー、会計士、またはどんな職業の方々においても、各種ノートアプリに求める機能は様々あって賛否両論あると思われます。ここからはそれぞれの特徴とその違いを見て行きましょう。
Evernote:全てを保存しておきたいユーザー向け
Evernoteは大変多くのユーザーに好評であることはよく知られています。理由は簡単。ひとつで何でもできるからです。Evernoteは紙ベースの書類を電子化することから、格納した膨大なデータの中から迅速に検索できるシステム動作も素晴らしく、ありとあらゆる作業がこれひとつで可能です。
・Evernoteで何ができる?
たとえば取っておきたいアイデアや名刺、ノート、写真、スクリーンショット、ToDoリスト、日誌や料理のレシピ集などの膨大な情報をデジタル化して保管できます。
Evernoteは大量の情報を操作できるように設計されています。ノートブック機能がメインなので、必要なだけたくさんのページを使ってアイデア毎にノートを作成しそれぞれを管理できます。作成したページにタグ付けができるため、書いたものは後から簡単に探せます。ノート機能だけでなく、取っておいた図面やウェブの切り抜きなども簡単に検索できます。それでもEvernoteはあなたの理想的なノートスタイルとはまだちょっと違いますか? Evernoteは他のアプリケーションともたくさんリンクしていますので、利用すればするほど使い方に広がりが出てくるはずです。
・どんな人が使うといい?
「思い浮かんだアイデアをすべてまとめて、どこか1カ所に保管しておける場所があったら」と思う方にはEvernoteがぴったりです。比較的シンプルな構造のため、ほぼ全てのIT機器に対応しています。膨大な資料を扱えるので、例えば学生やプロジェクトマネージャーなど探し集めた大量の資料を1カ所で管理したい方々は、このアプリの便利さを実感されるだろうと思います。
そうはいっても、この大量にデータを扱える事が時として短所にも成り得ます。
なかには、そんな大層な仕組みなんていらないという人もいるでしょう。ただちょっとノートに書き留めて置くような用途でEvernoteを使いたいという方は、まずアプリを開いたら書き込むノートを選ぶだけでいいのです。その際は後からパッと探して読めるように名前を付けておくことをお忘れなく。アイデアを連想するような絵を貼り付けておくのも良いかも知れません。アイデアのメモを書き終える頃には、それを行動に移してしまっている人も、なかにはいるかもしれませんね。
プレーンテキスト:思いついたことをサッとメモしたいユーザー向け
Evernote(または同様のアプリ)は少々複雑で、全てを使いこなして慣れるまでには多少時間がかかります。さまざまな機能がついているので、まずアプリを開いてノートを書く場所を決めて実際に書き始めるまで少し時間を要します。ここまででもうちょっと面倒だなとお考えのあなたは、プレーンテキストが一番ぴったり来るかもしれません。
・プレーンテキストで何ができる?
プレーンテキストはその名前からもわかるように、「テキストだけ」です。文章を書き込むだけのアプリが欲しい方なら、テキスト形式のノートアプリが最適だと思います。中でもSimplenoteは保存ツールに最近アップデートもあって、ますます使い勝手が良くなったと感じます。
SimplenoteはどんなIT機器にも同期できますし、古い記述も探しやすいようにタグ付け機能もしっかりしており、見出し部分でノートを簡単に整理できる優れものです。アプリを開いたらまずシンプルな画面が出てきて、そこにすぐメモを打てます。書き終わったらその記述がどこへ保管されるかなどの心配はご無用。思いついたらすぐ書き込んで書いた後はそのまま閉じてOKです。Simplenoteはテキスト形式の唯一のノートアプリというわけではありませんが、中でも大変使いやすいと感じるアプリです。
でも、Simplenoteはそれだけだともいえます。つまり高性能のノートブック機能や画像の挿入などはないため、スクリーンショットを入れて注釈を書いたりできませんし、手書きのノートの画像を取り込んでノートをデジタル化するといった事は望めません。しかし、テキスト形式に特化している事によって、パッと思いついたアイデアをその瞬間を逃さず書き留めておけたり、小説を書き連ねて1カ所に保管したりといったことに向いています。どこにいても素早く書き込めるのでToDoリストの作成や管理にも向いてます。
・どんな人が使うといい?
PCやスマホやタブレットなどのさまざまなIT機器を使ってあちこちノートを書いては保存している方にとっては、文字を打ち込む以外に操作ができなくてもとても便利なアプリといえるでしょう。いつでもどこでもパッとアイディアを書き留めておきたい方や、シンプルで作業の煩わしさが極力無いタイプを好む物書きの方々などにお勧めです。
もしEvernoteとSimplenoteの間のようなアプリをお探しであれば、Google Keepがお好みかもしれません。処理が速く、どんなIT機器にも対応しており、保存して整理するための操作オプションがたくさんあるにも関わらず、単純な操作でお手軽に整理しておく事ができます。
紙とペン派:そもそもアプリは使いたくないと言う人向け
スマホやパソコン用にたくさんの種類のアプリが開発されていますが、それでも尚、紙にペンを走らせることが一般的に最も親しまれているノートの取り方だといえます。いたってシンプルであり、手を伸ばせばサッと書けますし、高価な機器は必要ありません。
紙ベースのノートスタイルに必要なものといったら、ステキなノートとペンか鉛筆のみです。電話もいらなければ、持ってる全てのIT機器に同期するかどうかなんて悩む必要もありません。ちゃんと目で確認できて、書き込んだノートさえ無くさないでおけば、書いた事は全て保存されています。もちろん図解もできますし、頭の中のアイデアを描くような地図を書いたり、ToDo管理に用いたり(「紙のノートを「神のノート」に変身させるアナログToDo管理テクニック」)、自分が思い通りに描きたいノートを作るのに適したアプリをわざわざ探し出す手間が省けます。そもそも多くの人にとって、物事の記録を付けるためには紙のノートが一番手っ取り早い簡単な方法なのです。
ノートを取るのに凝ったアプリなど要らないという人、たとえば同期させるような装置をそれほど持っていないとか、アプリが提供するような扱い方ではノートを作らないといった向きには、紙のノートの方が向いているといえるでしょう。
思い浮かんだアイデアを紙に描くのが好きな人はアプリタイプのノートは向かないと思います。また独自の特別なスタイルのToDoリストであったり、スケッチとか、夢中になって取りとめもなく書き出されたアイデアなどを整理して保管しておくにはアプリでは納まりがつかないかもしれません。
紙とペンはいたって簡単です。スマホやPCが出回るまでは、我々はずっとこれ一本でやってきたわけですからお手軽で早いのです。
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覚えて頂いて損は無いのは、これまでお伝えした全ての方法は、様々なシーンで使い分けて活用できるということです。Evernoteのようなアプリは長いプロジェクトで使うのに便利ですし、テキスト形式のアプリは日常的な作業で使いやすいですね。Evernoteはどんな場面・用途においても適宜対応ができますし、紙とペンならスマホをいじらなくてもササッと済ませることができます。どの方法にも得意とするポイントがありますので、プロジェクト毎にどれが一番活用できそうかを見て上手に使い分けるのが良いのかもしれません。