『tokotoko』

Fortune comes in at the merry gate.

『今週の舞台』

2012-05-09 | 映画・ドラマ・舞台
昨日『シダの群れ~純情巡礼編~』を観てきました

2年前にコクーンで上演された舞台の続編になります。
ドンパチパチもあるし、もあるし、もりだくさんです。



前回の舞台では。

ある組の組長が病に伏せています。

組長の実子である・ツヨシ(小出恵介さん)と、
愛人真知(伊藤蘭さん)が産んだ腹違いの兄弟タカヒロ(江口洋介さん)。

今日はタカヒロが出所してくる日です。
タカヒロは組員から厚い信頼を得ている人格者です。

迎えにくのは実質組を仕切っている組長の右腕水野(風間杜夫さん)。

ツヨシの愛人のヨーコ(黒川芽衣さん)はツヨシの子を妊娠している模様です。
そのことを本妻のリン(江口のりこさん)は知りません。
本妻の息子VS愛人の子の跡目争い勃発。

そこにツヨシの本妻との息子マサハルが敵対する組に拉致されそうになり、
銃撃戦が展開されます。



何とか無事にマサハルは戻ってくるが、その原因を作ったのは森本(阿部サダヲさん)。

タカヒロを慕う下っ端チンピラ森本は、
組長の孫を危険な目に遭わせたとして、肩身の狭い思いをすることに。

しかしこの孫拉致未遂事件を契機に、
水面下で静かに争われていた跡目問題が、徐々に表面化してくるのです。

そして、2年の月日が流れ、今度は『純情巡礼編』です



前作の舞台となった「志波崎組」は、
跡目争いをきっかけに「増陸組」との抗争を激化させ、今は壊滅状態に陥っています。

そんな中「増陸組」の構成員が「矢縞組」の組員を殺してしまったことで、組同士が対立。

「矢縞組」坂本(堤真一さん)は、報復の為、増陸組組長の命を狙った、
舎弟(小池徹平さん)を処分するよう言い渡されますが、

かわいい妹可奈子(倉科カナさん)の恋心を思い、
父と慕う「志波崎」組水野(風間杜夫さん)に助けを求め、組に秘密を持ってしまいます。

3つの組の事情が複雑に絡み合うなかで、
「増陸組」組長の女ヤスコ(松雪泰子さん)が、

矢縞、増陸の両組に顔が利く片目忍(荒川良々さん)をあやつり、男たちを翻弄していきます。

ヤスコは亡くなったタカヒロ(前回舞台/江口洋介さん)の女でもあったのです。

移ろう人間関係と、揺れ彷徨う男たち。その行方は。



作・演出/岩松了

映画もドラマも、舞台も著書もたくさんあります。
昨年の舞台は、宮藤官九郎さんの『アイドル、かくの如し』と『国民傘』

 

監督もされています。
『たみおのしあわせ』



出演
堤真一/松雪泰子/風間杜夫

堤真一さん、松雪泰子さん、風間杜夫さん、みなさんカッコいいです

小池徹平/荒川良々/倉科カナ/市川実和子/石住昭彦
吉見一豊/清水優/太賀/鈴木伸之/深水元基/浅野彰一

ギター演奏/村治佳織



舞台は生もの。
まだはじまったばかりの『純情巡礼編』
どんなふうに育っていくのか、楽しみな舞台です

目線を、それぞれの登場人物に落すと、
そこにある『切なさ』が、にじんでくるようです。



『わが母の記』

2012-05-09 | 映画・ドラマ・舞台
『わが母の記』を観ました

昭和を描いているからか、
先日勉強のために観た小津安二郎監督の作品を思い出しました。

丁寧なお仕事と、繊細でやさしい人間のやりとりがみえた気がします。



井上靖さんの自伝的小説「わが母の記」3部作が原作です。



昭和39年、小説家伊上洪作は、父を亡くし、母八重の面倒を見ることになります。

幼少の頃母と離れて暮らしていたために、
それまで、母親と距離を置いていた洪作でしたが、

妻や3人の娘、妹たちとともに、
幼いころの記憶と、八重が持っている思いに向き合うことになります。

八重は薄れてゆく記憶の中で、息子への愛を確かめていき、
洪作はそんな母をみて、次第に次第に、母を受け入れるようになっていきます。



第35回モントリオール世界映画祭ワールド・コンペティション部門で、
審査員特別グランプリを受賞しています。





監督・脚本/原田眞人

PARIS-DAKAR 15000 栄光への挑戦/KAMIKAZE TAXI/金融腐蝕列島〔呪縛〕
突入せよ! あさま山荘事件/魍魎の匣/クライマーズ・ハイ ほか

 



原作/井上靖









キャスト
役所広司/樹木希林/宮崎あおい/三國連太郎/南果歩/キムラ緑子/ミムラ
菊池亜希子/三浦貴大/真野恵里菜 ほか

みなさんの演技が、演技には見えず、
そこに、ただ、昭和の家族がいたような、そんな、かんじでした。

とくに、樹木希林さん、三國連太郎さん。

三國連太郎さんが、手を伸ばし、息子(役所広司さん)が手を握ると振りほどく・・・
その、何とも言えない緊迫した空気、

樹木希林さんの、記憶をなくしてからの目の動きや口元の動き、

すべてが、本物のおじいちゃん、おばあちゃんの姿でした。

役所広司さんも、南果歩さん、キムラ緑子さんも、
大人だけれど息子で、娘で、それは、それだけでしかなく、

本当にすばらしかったです。

 樹木希林さん。

 三國連太郎さん。

 昭和の映画も、観たくなりました



『宇宙兄弟』

2012-05-09 | 映画・ドラマ・舞台
映画『宇宙兄弟』が公開されました



少年時代、UFOを見たことがきっかけで宇宙にあこがれ、
宇宙飛行士になるという夢を抱いた南波六太(ムッタ)日々人(ヒビト)兄弟。

弟は夢を実現させ、兄は会社をクビになり再就職もままならない。

兄を思う弟は勝手に宇宙飛行士選抜試験の願書を提出。
それがきっかけで、兄も夢に再挑戦することになります。





監督/森義隆

森義隆監督というと早見和真さん原作の『ひゃくはち』

名門野球部の補欠部員の奮闘を描いたもので、
キラキラの汗を感じる作品でした。





原作/小山宙哉

盗むものは「心」年齢は70歳。『ジジジイーGGGー』も、
高所恐怖症のジャンパー梅田晴気を描く『ハルジャン』も、いいお話です



でも、やっぱり、『宇宙兄弟』が好きです





脚本/大森美香

カバチタレ!/ラストプレゼント/不機嫌なジーン/風のハルカ
マイ☆ボス マイ☆ヒーロー/ハングリー!/ヘブンズ・ドア/カイジ 人生逆転ゲーム ほか

 

『プール』は監督もつとめられました







キャスト
小栗旬/岡田将生/麻生久美子/濱田岳/新井浩文
井上芳雄/塩見三省/堤真一/野口聡一/バズ・オルドリン/中野澪/中島凱斗 ほか

NASA(米航空宇宙局)のケネディ宇宙センターなどでもロケを行っています。

ヒビトが乗るスペースシャトルの打ち上げシーンには、
アポロ11号の乗組員として人類で初めて月に降り立った、

バズ・オルドリンさんも出演されています。





映画には映画でしか描けない『生身』の人間の汗とか涙があります。
漫画には漫画でしか描けない『夢』があります。どちらも、素敵です。

原作を読んでファンになった人には、それぞれのベストシーンがあるはずで、
そういうひとつひとつまで、映画の限られた時間の中では描けません。
でも、それは、漫画の中だから味わえる世界です。



ムッタの『走り』のシーン、
ヒビトが、少年時代を思い出し、
生ききろうと思い直すシーンが、涙ポイントでした

シャロンが出てこなかったことや、
ヒビトの生還にムッタが関わったとこが描かれていなかったりとか、
原作とは違うところが多々あるけれど、

ロケットの発射シーンは、口をポカンとあけて、目もグワッと開いて、
言葉にならないくらい迫力があったし、

そこで、宇宙に向かうヒビトと、それを見送るムッタの表情が、
とて似合っていて、よかったです。

原作に感じる『愛』が、
ちゃんと、映画の中で息をしていました



少年時代のふたりが出演している、
『たまごかけごはん』のCMも、好きです



元気が出ました