教育と臨床心理のおもちゃ箱

歳を重ねるとは経験知が増える。知が統合し、また新たな知恵となる。教育と臨床心理を軸に思いを伝えたい。

いつもと変わらない”ふつう”の幸せ

2016年01月14日 | 今日のひと言
東日本大震災から5年、阪神淡路大震災から21年
 南相馬市小高地区に、神戸の西灘小学校の子どもたちが訪れる。
 一日目は、仮設住宅を訪ね歌声を通じて交流する。合宿二日目の課題は「しあわせ探し」
子どもたちは、グループで町の家々を回り、インタビューする。

 理髪店を見つけたグループは、中に入れてもらい男性店主に尋ねる。
 「あなたにとって幸せって何ですか?」
 「こうしてお客さんが来てくれること。普通の幸せ。いつもと変わらない”ふつう”が幸せなんだよ。」
 年配の女性は、「こうやって人と会えること」と答える。
 
 子どもたちは学校に持ち帰り、壁新聞にして発表する。
 発表の中で、それぞれが自分のことばで発言する。
 話し手の熱い思いと、それを全身で受けとめようとする聴き手たちの真剣な眼差しは感動的であった。
 一人の女の子の発言。
 「津波のすごさは見ることはできないけど、想像することはできる。想像したら胸が熱くなった。」
 あさイチ解説員の柳澤さんは、
 「想像ってたいへんだと思うんだ。子どもたちが、福島に来て、実際被災した人々に会って、そこで想像する。そのことで、自分の立つ位置を変える。半歩近づくことができる。」
                2016年1月14日(木)NHKあさイチ「歌がつないだ絆」を見ながらのメモより

 柳澤さんの言うとおり、想像することはたいへんだ。
 臨床心理士は、目の前にいるクライエントの位置に、どれだけ近づくことができるのか。想像による自らの立つ位置を問われるのだと改めて思った。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿