教育と臨床心理のおもちゃ箱

歳を重ねるとは経験知が増える。知が統合し、また新たな知恵となる。教育と臨床心理を軸に思いを伝えたい。

臨床心理士試験受験記

2016年01月05日 | 臨床心理
 2015年10月11日(日)、東京ビッグサイトにおいて、臨床心理士試験を受験した。10時集合で、10時30分から150分間の筆記試験と、昼休憩を挟んで14時30分から90分間の論文試験である。
 受験者数は、受験番号から察すると2600名以上だと考えられる。午前中の筆記試験はマークシート方式で100問。還暦をとっくに過ぎた私にとって初めての経験となるマークシート試験は、厳しい試練であった。
 自主学習会で模擬試験を2回受けていたので、だいたいの流れは理解していたつもりであったが、最初ていねいに読み過ぎたのか、60問を終わって、残り時間が1時間しかないことに気づいた。予定では1問1.5分の計算で100問150分になり、良いペースということになるのだが、後半に増える事例問題は、問題だけでも長文であり、クライエントの年齢や状況・背景などをきちんと読まないと選択肢へ進めないのである。
 そう思うと最後まで解けるかどうかが不安になり、事例問題以外は問題文を読まず、○×の並び方だけで選択肢を決定し、マークシートを塗りつぶすという作業を次々にこなしていった。幸い、20分近く残して100問まで終えたので、100番から逆に見直して70番くらいまで戻ったところで時間が来た。
 出題の中で全く知らなかったのは、ストレス・チェックの問題である。少年法や児童福祉法、教育関連法、犯罪被害者、DV防止、児童・障害者・高齢者虐待防止等の法令は条文をダウンロードして読んでいたが、労働安全衛生法は参考書等にもあまりふれてなかったので、見過ごしていた。
 問題回収、午後の日程説明などがあり、午後の部は14時10分からとのアナウンス。約1時間の昼休みがある。食事は自席で食べても構わない。私は、開場前に会場のコンビニで弁当やお茶などを先に買っておいた。会場の規模からすれば食事の場所もそれほど混雑はしないと思うが、前もって買っておいた方が安心できる。
 昼休みは、事前に書いておいた既出論文の原稿に目を通した。
 論文試験は、過去問題と予想問題について20編以上書いていたので、それほど苦にはならなかったが、見直している中で誤字や言い回しが気になる箇所がいくつかあったので訂正した。残り10分ほどになって、最後の3行が気になり、ぎりぎりまで書き直しをして、既定の字数ぴったりに終わった。
 一次試験終了後、まず思ったことは「なんとも言えない」である。それは、「ダメだった」とも思わないし、「やったぞ」とも思えない中途半端な感じであった。問題のほとんどが、5択であり、3つまでは消去できるが、最終的にどちらともつけがたい2つが残る。例えば「A~Dまでの空欄に適語を選び……」という問題で、A・B・Cまではすらっと解けて、Dの答が、「精神保健指定医」「精神医療指定医」のどちらかを選ぶようになっている。法令の問題であるが、条文の概要は把握していても、細かい表現を問われると(どっちだったかな?)と迷ってしまう。
 結果は10月26日までには送付するということであったが、私のところに届いたのは、ぎりぎりの26日の夕方だった。それまでの2週間は、まさに神仏にすがる思いで過ごし、やけに長かった。受験した同級生たちはみな24日に届いたと聞き、(不合格だから遅いのだろう)とか、(論文で字数オーバーとされたのでは)などど、ネガティブ思考に潰されそうであったが、「合格」の文字を目にして思わず「ヨッシャー!」とガッツポーズが出た。
 大学院の教授からは、一人前になるには最低10年かかると言われており、私に残された時間は限られている。記憶力は衰えを増すばかりで、もう一度受験となったら無理かもしれないと考えていたので、本当にうれしかった。

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