対象物周辺の環境から病原性のある生き物を何らかの方法でいなくなるようにする・あるいは数をうんと減らす、病原性をグンと落とす、というのが「消毒・殺菌・滅菌・除菌・抗菌」等々のフレーズで表現されています。ドラッグストアに行くと、商品がごちゃごちゃ並んでいるように、見える。ポイントは、「消毒薬」は医薬品の棚に置いてあって、「除菌剤」は普通の商品棚に陳列されている、点。
これには、日本の薬剤についての法律である「薬機法」が絡んでいるのです。
薬機法とは、かつては薬事法といわれていた法律のことです。「殺菌」や「消毒」という言葉は、「医薬品」や「医薬部外品」以外の商品には利用することが禁止されているのです。「薬」として扱うには「認可」を取らなければならず、臨床試験をちゃんとやって云々、と莫大なお金がかかる。それだけでなく、特に「医薬品」と分類されてしまうと、置ける棚が「医薬」部門に限られてしまい、薬剤師を通す等々、販売が逆に難しくなる。そんな諸々の事情があって、あえて「消毒・殺菌」という言葉を使えない雑貨部門にハイター(漂白剤となっている場合が多い。強力なのは塩素系)やアルコール除菌スプレーなんかが置いてあるんです。医薬品の棚に置いてあるオキシドールや逆性石鹸
|
等の消毒剤が強力なのか、というと全然そんなことありません。法律上「こうしなさい」となっている事と、各商品の実際の効能効果は今現在では全くかけ離れているわけ。
この辺りについては、以下に、より詳細に書かれています。特にモノタロウのページはすっきりしていて分かりやすい。
ちなみに「消毒法」には色々あって、例えば熱湯や熱蒸気・紫外線や日光等々も「消毒」として紹介される場合があります。寄生虫卵については、今でも熱湯や熱蒸気による消毒が一番有効。卵には薬なんか全然効かないんです。薬で消毒する場合、それに使われる薬剤を「消毒剤」と呼んでいるのだ。
それから、アルコールについて。アルコール系消毒剤で一般販売されているのは、ほぼエタノールだけですが、消毒剤としては、別の種類のアルコールにもちゃんと消毒作用があります。例えばイソプロパノール
|
も同等クラスのパワーがあります。エタノールの価格には「酒税」が含まれているから、若干お高い。イソプロパノールには酒税はかかりません。従って、比較的安い、筈なんですが。。。やっぱり、一般にはあまり販売されてないですね。万一飲み込んだら困る、というのがあるんでしょう。