我が家にはオスの菊千代君とメスの幸さんの二人の猫ちゃんがいます
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これが「幸」です。
幸は、2年ほど前の早朝、我が家の玄関で小さな声で鳴いていました。この幸の第一発見者は、「菊千代」でした。可哀想だったので、私が拾い上げようとして近づくと、人間が、あるいは私が怖かったのか、もの凄いスピードで、逃げて行ってしまったのです。その日は、姿を確認することができませんでした。
翌朝はほんの少し小雨が降っていました。
家の外で昨日鳴いていたあの猫ちゃんらしい子猫の小さな鳴き声が聞こえたのです。
鳴き声は、庭に駐車している車のタイヤハウス辺りから聞こえています。
私が近づくと逃げてしまうかもしれないので、次女にお願いしました。次女は、そーっと、そして、ゆっくりと、子猫のか細い声のする所に摺り足で近づいていきました。居ました、小さな体をより一層ちぢ込ませるかのようにした子猫が。
よーく見ると、昨日より元気がなさそうでした。
次女が手をさしのべても、逃げる気力も無くなってしまったのか、ジーッとしたまま動こうともしません。
そこで、次女は子猫の体を傷つけないように、そぅっと両手ですくい取るように自分の方に抱きかかえました。
体は、グッタリしているものの、鳴き声だけは、抱きかかえる私に抵抗するかのように、鳴き始めました。
次女は子猫を安心させるように優しく抱きかかえ、自宅の中に連れて入りました。
しばらくすると、子猫は鳴き疲れたのか、あるいは子猫なりに抵抗を諦めたのか、鳴くのを辞めて静かになりました。
子猫の眼は、目やにに覆われていて、目を開けられない状態であることを私は知りました。
可哀想に、片手の手のひらの上に、チョコンと乗る小さなこの子猫は、親猫から離れてしまい、きっと、独りぼっちで私の家の玄関に
辿り着いたのでしょう。
私は、この小さな子猫に、幸せになって欲しいと願い「幸子」と、名付けました。
片眼が開かないその子猫「幸子」の目を、ぬるま湯を染み込ませた脱脂綿で静かに拭いてみたのですが、どうも上手くいきませんでした。
そこで、先住民の菊千代が行く動物病院に連れて行ったところ、「埃によるアレルギー反応」との診断。
目薬を処方され、点眼の仕方を獣医に教えていただき、幸子を自宅に連れ帰りました。
私は、気が弱いのか、嫌がる様子を見せる幸子に目薬をつけるのですが、上手くできません。
そのような作業は、我が家では女性が優れています。
私は、点眼を女房や娘にお願いすることにしたのです。
幸子の目の病気は日を追う毎に快方に向かい、数日後には完治しました。
あれから、約2年が経過しましたが、「幸子」では呼びづらいのか、家族からは、いつの間にか「幸子」から「幸」に名前を変えられてしまいました。
今では、幸は、我が家で女王様のように暮らしています。
でも、本当に幸せ感に浸れているのでしょうか。私には分かりません。分かりませんが、自由気ままに生活する幸を見ていると、私自身も、そして家族も、何だか幸せ感を味わえるのです。
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これが「幸」です。
幸は、2年ほど前の早朝、我が家の玄関で小さな声で鳴いていました。この幸の第一発見者は、「菊千代」でした。可哀想だったので、私が拾い上げようとして近づくと、人間が、あるいは私が怖かったのか、もの凄いスピードで、逃げて行ってしまったのです。その日は、姿を確認することができませんでした。
翌朝はほんの少し小雨が降っていました。
家の外で昨日鳴いていたあの猫ちゃんらしい子猫の小さな鳴き声が聞こえたのです。
鳴き声は、庭に駐車している車のタイヤハウス辺りから聞こえています。
私が近づくと逃げてしまうかもしれないので、次女にお願いしました。次女は、そーっと、そして、ゆっくりと、子猫のか細い声のする所に摺り足で近づいていきました。居ました、小さな体をより一層ちぢ込ませるかのようにした子猫が。
よーく見ると、昨日より元気がなさそうでした。
次女が手をさしのべても、逃げる気力も無くなってしまったのか、ジーッとしたまま動こうともしません。
そこで、次女は子猫の体を傷つけないように、そぅっと両手ですくい取るように自分の方に抱きかかえました。
体は、グッタリしているものの、鳴き声だけは、抱きかかえる私に抵抗するかのように、鳴き始めました。
次女は子猫を安心させるように優しく抱きかかえ、自宅の中に連れて入りました。
しばらくすると、子猫は鳴き疲れたのか、あるいは子猫なりに抵抗を諦めたのか、鳴くのを辞めて静かになりました。
子猫の眼は、目やにに覆われていて、目を開けられない状態であることを私は知りました。
可哀想に、片手の手のひらの上に、チョコンと乗る小さなこの子猫は、親猫から離れてしまい、きっと、独りぼっちで私の家の玄関に
辿り着いたのでしょう。
私は、この小さな子猫に、幸せになって欲しいと願い「幸子」と、名付けました。
片眼が開かないその子猫「幸子」の目を、ぬるま湯を染み込ませた脱脂綿で静かに拭いてみたのですが、どうも上手くいきませんでした。
そこで、先住民の菊千代が行く動物病院に連れて行ったところ、「埃によるアレルギー反応」との診断。
目薬を処方され、点眼の仕方を獣医に教えていただき、幸子を自宅に連れ帰りました。
私は、気が弱いのか、嫌がる様子を見せる幸子に目薬をつけるのですが、上手くできません。
そのような作業は、我が家では女性が優れています。
私は、点眼を女房や娘にお願いすることにしたのです。
幸子の目の病気は日を追う毎に快方に向かい、数日後には完治しました。
あれから、約2年が経過しましたが、「幸子」では呼びづらいのか、家族からは、いつの間にか「幸子」から「幸」に名前を変えられてしまいました。
今では、幸は、我が家で女王様のように暮らしています。
でも、本当に幸せ感に浸れているのでしょうか。私には分かりません。分かりませんが、自由気ままに生活する幸を見ていると、私自身も、そして家族も、何だか幸せ感を味わえるのです。