誰もが学校の歴史の時間に学んだ将軍,足利尊氏を描いた小説です。
タイトルにある「極楽」とは,まさに尊氏の持って生まれた性格だとしています。
実際に影では「極楽殿」と言われていたのかもしれないが,やる気なし,使命感なし,執着なし,なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか?
そこまで書くの?と思ってしまいました。
いくら小説とはいえ,ここまで尊氏をバカにした記載はいかがなものかと思いました。
そもそも戦上手という点については,足利家のだれもが認めてはいるのにもかかわらず,物語の中での具体的な采配が少なすぎます。
そんな程度で征夷大将軍が手に入るものではないはずです。
そこはちょっとがっかりでしたけど,最終章で少し納得できたかも。
さて,物語は,北条家の独裁政権が続いて,鎌倉府がどうにもならない状態に陥っていたところから始まり,最後は文和4年(1352年)の尊氏と実の子である直冬の間で起こった京における市街戦となります。
しかし,実際に二人が戦うことはなく,直冬が自然消滅するところまでが描かれています。
この壮大な長編小説は読みごたえがありました。
ただし,少し長すぎるかなあと思ったのは,主人公がはっきりしないからではないでしょうか。
タイトルからすれば当然尊氏ということになるのだけど,どうもそうではないように思えました。
いや,第169回直木三十五賞受賞作にケチをつけちゃいけませんね。
お勧めの一冊です。
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