小林 尚礼著 「梅里雪山」を読みました。
梅里雪山は中国雲南省の最高峰、標高6,740mの山です。
1991年に日中合同の登山隊が発登頂を目指しましたが、
C3で遭難事故を起こし、17人の隊員が亡くなりました。
雪崩に巻き込またのが遭難の原因です。
日本の隊員11人のうち5人が京都大学からの参加でした。
京都大学山岳部に在籍していた筆者は、この事故をきっかけに梅里雪山とその麓の村と深く関わることになります。
遭難の5年後、筆者も一度は梅里雪山に挑戦します。
しかし、岩の条件が悪く登頂を断念。
そして、遭難から7年後、氷河の上で遺体が発見されます。
筆者は捜索隊として毎年のように梅里雪山の麓にある明永村に通うことになります。
遺体収容に力を注ぐ一方、梅里雪山を巡る巡礼の旅にも出ます。
そこに住む人々、特に村長のチャシ家の人々との出会い。
素朴な村の生活がよく伝わってきます。
村にはわずか数年の間に自動車が入り、電化製品が普及しました。
観光収入で暮らしも豊かになりました。
その一因を作ったのは日中の登山隊とその遭難です。
村にとってそれは良かったことなのでしょうか。
梅里雪山は現在も未踏の聖山です。
そもそも登ってはいけない山だったのかもしれません。
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