遠い遠い昔、20代前半の若者が卒業旅行で、はるか北の大地厳冬の北海道を、北海道ワイド周遊券とユースホステルの会員証を持って旅をしていました。今は無き(廃業)浜頓別YHを出発しようとした見ず知らずの若者たちは豪雪に阻まれ、天北線722Dという列車の中で缶詰状態になってしまいました。(雪の中で全く動けなくなってしまい、遭難するかも)
あせっていても仕方ないし、ラッセル車が救助に来るまで動けません。YH仲間ということもあり連絡先を交換して「天北線の会」を、その場で結成してしまいました。
それから数十年の月日が経ちましたが、年に1回は「天北の会集会するぞ」ということで、各地からメンバーが集まっていました。コロナ禍で、ここ数年は集会が出来ていませんでしたが、2024年3月に熱海の伊藤園ホテル熱海館で、数年ぶりの集会が開催されました。
ほとんどのメンバーは関東在住ですが、オーストラリア・シドニーとアメリカ・オレゴン州に在住の人もいます。今回は、シドニー在住者が一時帰国していたので、それに日程を合わせました。N村(ブログ主)は福岡在住なので、事前に長距離フェリーで行くことにしました。新門司から関東向けのフェリー会社は2社あり、それぞれ「オーシャン東京フェリー」と「東京九州フェリー」が就航しています。
①オーシャン東京フェリー 門司を夕方出航し、徳島寄港後有明港に翌々日の早朝に到着
②東京九州フェリー 門司を夜間に出航し、横須賀に翌日の夜に到着
東京のホテルはばか高く、とてもじゃないが宿泊できそうもないので、①のフェリーを利用して早朝に着く便にした。有明から東京駅までは路線バスが運行(有料)しているので、それを利用する。東京駅から熱海までは東海道線で移動する。
有明に早朝到着なので、熱海駅には午前9時前に到着しました。集合はホテルのロビーに12時なので、まだまだ時間があります。
朝が早いので駅前は空いていますが、めっちゃ雨が降っています。
この時間は空いてていいのですが、10時を過ぎると凄いことになるというのは、まだ分かっていません。
一応、集会場のホテルを確認します。駅前商店街を歩くとすぐでした。アーケードなので、雨にも濡れずに行けるのは便利です。
いったん駅に戻って腹ごしらえをします。時間的に早いので、あまり店はオープンしていないのですが、駅ビルでパン屋を発見。席でも食べられるので、ここにします。
パンうめー
そうのこうのしていたら、駅の周辺が人であふれかえっています。なんじゃこりゃあああ
昔の熱海は、関東地方の社員旅行などで訪れるイメージで、町にはコンパニオンのお姉さんたちが大勢いる感じでしたが、次第に寂れていったというように思っていました。しかーし、びっくりするほどの盛況です。春休みということもあって、若い人が多いのです。それと、インバウンドが少なく日本人で賑わっています。商店街の店は大盛況で、観光地価格のようですが、どこも行列ができています。
駅ビルの観光案内所で観光マップを貰って、時間まで市内散策をしてみます。もちろん徒歩圏内になりますが。向かったのは「間欠泉」です。そこには、オールコックの碑と愛犬トビーの碑があります。
オールコック氏は、初代英国公使で1860年(万延元年)外国人として初めて富士登山をした際に、帰りに熱海に立ち寄り、本陣今井半太夫方に2週間ほど滞在しました。そして、山海奇勝(自然)を愛するあまりこの石碑を建てて、「後の人に熱海に遊んだ英国人は自分が最初であることを知らせる」とのことだそうです。えー、そうなの。なんか自己顕示欲が強そうな・・(いいんですけど)
愛犬トビー(スコッチ・テリア)は、噴出した大湯に触れて大やけどをおって死んでしまったので、里人は葬儀を行い弔ったそうです。えー、そうなの。犬にしてはドジなような(いいんですけど)
それと、隣接して「市外電話創始の地」があります。
これは「明治22年(1889年1月1日)この場所にあった内務省の噏滊館(きゅうきかん)と東京木挽町の東京電信局との間に初めて公衆用の市外通話が行われた」とのことです。大雨が降っていたので、電話ボックスの中にはおっちゃんと犬が雨宿りをしていました。犬さん、間欠泉には気をつけろよなー
肝心の「間欠泉」ですが、なかなか吹き上がりません。しばらく待っているとぶしゅーと吹き上がり始めました。あれ、管のようなものから吹き上がっているように見えます。近年は自然に噴出しなくなってしまったので、人工的に吹き上がらせているようです。
まだ時間があるので大雨の中、海岸沿いにある「金色夜叉」の像を見に行きます。熱海の駅は標高が高いので、海岸までは急な坂道を降りていきます。現代では「パワハラじゃ」と言われかねないシチュエーションではあります。注意書きには「物語を忠実に再現したもので、決して暴力を肯定したり助長するものではありません」とあります。そうだよなー、今の世なら文句言う人がいるかもですからね。
昼頃に、伊藤園ホテルに戻ったら、メンバーが集まってきました。数年会っていないしマスクをしているので、「あれ〇〇くんかな」と思い声をかけたら当たりでした。話始めたら、見た目は歳をとりましたが、中身は変わっていませんでした。
その2に続く
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