じんべえ時悠帖Ⅱ

上尾宿から桶川宿へ

 昨日の月齢は5.4日。肉眼では真っ白に見えるが夕日を映す。

 さて、桶川宿から上尾宿へ向かう。と、青々とした竹林。

上尾の地酒「文楽」の食事処「東蔵(アヅマグラ)」である。

 中山道博士、岸本氏のガイドブックにも「酒蔵の竹林」と

あり、丸に酒のマークがあるところ。

 12時にはちょっと間があるが、今朝の朝食が早かったので

ここで昼食とする。屋根上の「鍾馗様」の探索で思わぬ時間と

労力を費やしたので休憩する頃でもある。

 酒蔵を改造した天井の高い店内の半分を占めるテーブル席は

客で概ね埋まっている。オープンキッチンの前のカウンターに

案内されメニューをじっくりと眺める。

 せいろと生酛系純米酒の冷酒を注文。内面が錫メッキされ、

しっかりと冷えた器に入った、端麗辛口ではない日本酒度2.0

の深い味が旨い。

 地酒「文楽」の十一屋酒店は明治二十七年の創業。

 今日は曇って涼しいという予報だったが、完全な外れで

晴れて暑い。交差点の中山道標が立つところ、ここにも

鍾馗様が載る。

 上尾駅から約2キロ、北上尾駅を過ぎたあたりに伸びる

板塀は、紅花問屋の須田家跡。

 このあたりは岩手と並ぶ紅花の産地、仲買問屋の須田家

は加工した紅餅を中山道を通って京都へ出荷し財をなした。

 東側、200~400mの間をおいて国道17号線が走るので、

この旧中山道(旧17号、県道162号)の交通量は、さほど

多くはない。やがて桶川市に入る。

 桶川宿の日本橋川の入り口、下木戸跡の「木戸址」の柱

が立つ交差点脇、武藤家の屋根にも鍾馗様が載る。

 桶川駅入り口に手前の武村旅館は、幕末近くの嘉永5年、

紙屋半次郎が建てた旅籠。明治に入り板橋宿の旅籠武村が

引き継いで、当時のままで営業を続ける。

 本陣跡など、桶川宿の様子の続きは次回。


 

 


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コメント一覧

jinbei1947
ここまでの関東は圧倒的に庚申塔が多いですね。
鍾馗様は上尾、桶川に多かったようです。
桶川には上尾よりも古い建物が残ります。
明日(6日)、続きを歩く予定です。
ykoma1949
武村旅館<130年も続いている旅館、今は
どんな経営なのか・・興味深いですね
塩尻にも昔からの旅館がありますが、今は
文化財です。上尾の街は中山道の標識が
あって旧道を街ぐるみで守っていくような
姿勢を感じます。
あっちこっちの鍾馗様、信州で言えば、さしずめ
道祖神様というところでしょうか・・
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