柄にもなく今日のタイトルは芭蕉の句である。林家たい平
の旅番組「新・銀河鉄道の旅」から。
猛暑の夏、散歩は涼しい早朝だけ。昼間は専ら、録画して
おいた旅番組などを見ながらついうたた寝となる。
元禄のころの「奥の細道」、鳥海山を眺めながら日本海の
浜辺を歩いていた芭蕉が秋田の南端、象潟の九十九島を眺めた
時の句である。
松島では「松島やあゝ松島や松島や」としか詠めなかった
のは長旅の疲労困憊の極みにあったからだとも言われる。
しかし、九十九島では元気を取り戻し、中国古代の美女で
ある「西施」のような美しい景色と詠んだ。
象潟(キサカタ)や 雨に西施の ねぶの花
楊貴妃などと並ぶ中国四大美女の一人、紀元前五世紀ごろの
西施とはどんな美女だったのだろう。ネットで二、三枚想像絵
を見ると確かに美女である。
さて、入江に浮かぶ美しい九十九の島々、江戸の末期にこの
あたりを歩いた伊能忠敬は見ることが出来なかった。1804年の
象潟地震で一帯の海岸が隆起したため、「入江」はなくなって
しまい、島は小高い丘になったのである。
さて、今日はどこを旅しよう。