刑事ドラマの定番は、
まず人が死ぬところから。
タロット殺人事件もそうだ。
まず提示されるのは、ソードの10。
これが結末であり、謎解きの始まりである。
タロットは、
大アルカナで人生の大きな流れを。
小アルカナで、そこで起こり得るさまざまな出来事を表していると言われる。
その中でソードは、
正義、戦い、疑惑、防衛、逃避、死など、
まさに刑事ドラマにうってつけのラインナップだ。
今、見えているのは、ソードに刺された誰かの死。
このソードをよく見ると、
1本、1本に、何か書いてある。
自分を守るために誰かを傷つけたこと、
自分の利益を優先して、嘘をついたこと、
不正義だと知りながら、見て見ぬふりをしたこと、
本当は助けられたかもしれないのに、逃げ出してしまったこと。
あるいは、
誰かに傷つけられたこと、
誰かの利益のために、嘘をつかれたこと、
正義を通してもらえなかったこと、
あんなにつらかったのに、助けてもらえなかったこと。
実は、
このタロット殺人事件、
犯人はあなたであり、被害者もまた、あなたなのだ。
ソード最初のカード、ソードのエースが示すのは、
真実と、そこから導かれる真理だ。
本当は、最初から真実は分かっていたんだ。
けれども、生きているうちに、
だんだん、真実を見失ったり、目を背けたり、
都合のいい真実をつくりだしたり、
そうやって、
相手を刺したり、刺されたりして、ソードの10まできたんだ。
そうやってきたことの結果が、この殺人となって、
目の前に現れてきたんだ。
ソードの1で始まった人生のある部分が、ソードの10という結末を迎えることは、実は始めから決まっている。
なぜなら、私たちは、
ソードの10を迎えなければ、
なぜ人生に、ソードで表される出来事が起こるのかを、理解することができないからだ。
タロット殺人事件は、私たちの弱さや愚かさゆえに、
必ず誰の身にも起こる。
ソードの10の結末を迎え、謎解きを終えた私たちは、
真理を知ることができたのだろうか。
それとも、また、どこかで間違ってしまうのだろうか。
ちょっと、笑ってしまいました。
それと、分かりやすいです。勉強になります。
コメントありがとうございます。