「貧乏国ニッポン」加谷珪一著を読んだ。
円安がすすんでいる。円が安いのだから、日本の国が安くなっているのは当然か。「最低賃金が韓国に追い抜かれる」など日本の経済力が先進国と言われるには悲しくなっている状況が、毎日テレビなどで伝えられる。どの国も発展しているにも関わらず日本だけが、30年間停滞している。単純に大卒初任給が30年前は20万円弱だったが、今でも20万円ちょっとである。アメリカでは、2倍の40~50万円である。そんな安い国に大挙して訪問するのは当たり前だろう。「おもてなし」の国などとおだてられて、一生懸命働いていてもワーキングプアから抜け出せないのが今の日本の現状であろう。シングルマザーの貧困、下流老人、ひきこもる若者、いろいろ本を読んでみたが、やはり日本は貧しくなったと実感する。
初めてアメリカに行った時は1ドル220円くらいだっただろうか。レストランでどんなに安い注文をしてもチップ1ドルを含めて1000円近くなってしまったものだ。それから、どんどんと円高になり、1ドル80円~90円に。家族と海外旅行に年2~3回行った。「そんなに何度もなぜ海外旅行に行けるの?」と聞かれたものだが、答えは簡単。国内旅行よりも安いから。コロナ前に大挙して日本に訪れた外国人も同じだ。日本旅行が格安だから日本を旅行する。決して、TVが言う「安全で清潔で親切だから」という言葉に騙されてはいけない。
日本人が現在、海外旅行に行くと、例えば東南アジアなど、昔、激安の国が多かったが、現在は、日本とほとんど同じ物価、あるいは、ちょっとした場所でハンバーグなど食べると日本よりも高くなる。ツアーなどで行くと日本人向けの高級レストンの激安料理と中以下のホテル、自分で予約すると一泊2000円程度のホテルに追いやられる。激安ツアーなので仕方がないと思っていると激安なのは、日本のツアー会社で働く人が安いということになる。コロナ後の円安のままだと、日本人の海外旅行は激減、世界中の人々が日本にやって来て、安い日本人をこき使うことになるだろう。
日本が、貧乏国になった原因や現状、脱却する方法などこの本に詳しいが、やはり、世界を引っ張る産業が日本になくなったことが根本にあるのではないか。ラジオやラジカセから始まる電化製品の最大輸出国だった日本。現在輸出できる日本家電製品は少ない。世界の一翼を担っていたコンピューター産業もアメリカへの車輸出と引き換えに世界最先端を政治的に放棄した。日本製のパソコンもOSもソフトも消えて行った。現在は、自動車産業であろう。世界中の国で日本車がもてはやされた時期もあったが、韓国や中国の自動車に肩を並べられ、電気自動車では後れを取っている。自動車産業も没落すれば、日本は本当の貧乏国、後進国となってしまうだろう。
次世代の日本の子供たちは、海外に出稼ぎにいかなければならない国になってしまうのだろうか。
<主夫の作る夕食>
じょうずに焼けた!
<思い出の一枚>
ネパール トレッキング