津軽ジョンがる電源日記

『KOJO TECHNOLOGY』 電源メーカースタッフ日記

コメントから昇格

2009-06-18 22:30:49 | インポート

こんばんは 親分です。

6月11日のブログ(コメント)で隊長のハムイレーザーへの質問の答えが見事だったので表舞台へ!

最近のアンプは高精度なトロイダルコアやRカットコアを使ったトランスが多いですよね。これらは電力を1次から2次側へ伝達する能力が高く、効率面からも多用されるようになってきているわけです。その一方で、交流電源の劣化に非常に敏感なものになっています。

例えば「高調波成分」や「直流成分」の重畳といったものがあり、これらがトランスを唸らせる原因となっています。

交流に直流成分が重畳?という信じられないような話ですが、これは消費電力の切り換えスイッチがついたドライヤーやカーボンヒータ(500W⇔1000W)などで、1000Wにしたときではなく、半分の500W出力にしたときに発生します。

この原因は、最大出力としたとき交流電圧の正負両方で電力を消費するのですが、500W出力のときは正負どちらか一方だけで電力が消費されます。

このとき、正負いずれかの方だけに電圧降下が発生し、あたかも電圧波形が0Vを境目にシフト?、ドリフト?したみたいになるわけです。この移動した分が直流成分となります。

トランスはその構成から直流と言うものは受け付けません。だから直流が入力されると、「イヤだイヤだ」といって「ブンブン」唸るのです。

もちろん、何処のアンプメーカもこのことは知っていますから、強力に含浸したり囲ったりと様々な工夫をします。
しかし、出るものに蓋をしきることが出来ず、振動しやすいところから音として漏れてくるわけです。

ここで「Hum Eraser」のネーミングですが、直訳すると「ブンブン消しゴム」ですね!我々はこのトランスが唸り発する「ブンブン」を消してしまおうという意味でつけました。

また、このトランスの唸りが電波として伝播し、プリAMP入力やカートリッジのピックアップなどのHighインピーダンス部に混入し、最終的にSPにハム音として出てしまっているものであれば、効果はあると考えます。

最後にトランスが唸るということが結構あるか?ということですが、電源環境が悪い都心部においては結構あるようです。
ネットで「トランス」、「唸り」と打つとかなりのヒット件数があるはずです。

あっ!それとデジタルアンプへの効果ですが、この場合デジタルアンプと言うよりは電源部分がスイッチング電源の場合、というのが正確な表現と思います。
確かに意味ありません・・・。

ではオヤスミナサイ