津軽ジョンがる電源日記

『KOJO TECHNOLOGY』 電源メーカースタッフ日記

電源電圧とボリューム

2006-08-31 20:04:00 | インポート

うちの電源を使用したら、「前のボリューム位置より低くしなきゃいけなくなった。」ということを耳にする。その原因がなんとなく判ってきたので紹介します。

先日、別件での実験中、AMPを商用電源に接続したときと、うちの電源に接続したときの消費電力を比較する機会があった。先にうちの電源にAMPをつなぎ、消費電力がジャスト100Wになるようボリューム位置を設定。後に、実験室に供給されている商用電源に同AMPを接続し、同じボリューム位置のまま消費電力を見た。(>_<)←それは目をつぶってて見えるわけないじゃん(・o・)・・・

するとどうだろう、消費電力は95.7Wに減少しているではないかぁーー!

■種明かし

そんなもの説明要らないって!?まぁまぁ、「ジョンがる隊長」にも エフリこぉがぁせでよ※!

まず、AMPDsc00832のボリュームを任意の位置に固定した場合、電源側から見たAMPのインピーダンスは一定となる。(音楽信号は常にインピーダンスに変動が生じるため、実験には単音信号を出力するCDを使用し、インピーダンスの変動がないようにした)写真はうちの電源にAMPをつないだときの表示で、上から消費電力(W)、電圧(V)、皮相電力(VA)、周波数(Hz)

ここで問題?

一定のインピーダンス(ここでは抵抗とします)に低い電圧を印加した場合と、高い電圧を印加した場合とでは、どちらの、どちらの消費電力が大きいでしょうか?(ヒント:オームの法則)

ピンポーン! 高い電圧を印加した場合!

・・・・っ正ー解 !(^^)! ○○さん、世界一周旅行!行ってらっしゃい(^o^)丿

実験時の商用電源電圧を見ると約96V、(うぅーー 会社ン中も随分低いなぁ・・・!)これに対し、うちの電源の出力は、約103Vと少し高めに設定し出荷しているため、負荷(AMP)インピーダンスが一定の場合、消費電力がUPするのである。Dsc00833

つまり、AMPに対する供給電力(電流)が上がるため、聴感上もボリュームを上げた感じに聞こえ、以前よりボリュームを下げる必要が出てくるのである。写真は商用電源にAMPをつないだときの表示。(内容は上に同じ)

逆にうちの電源を使ったらボリュームが下がった感じがするという環境は、もしかするとうちの電源より電圧が高いのかも知れませんね!

実際には各音域のバランスなど、音質的な視点も加味する必要がありますので、絶対とは言い切れません・・・・参考にしてください。

※ エフリこぉがぁせでよのエフリは →エー振り→良い振り→良い格好のこと。「こぉがぁせでよ」は→「させてよ」の意  =いい格好させてよ(格好つけさせてよ)


蚤の心臓Ⅱ

2006-08-30 20:52:39 | インポート

もう少し詳しく!ジョンがる隊長(ーー;) 意味わかったんだか、わかんねんだか!?さっぱり先祖ぉー。

ハァーイ。つまりインバータは整流平滑回路から出力された直流電圧(約DC280V)を、高周波(fsw≒25KHz)のパルス波形に変換する部分なんだ!文書だけじゃあれなんで、写真も入れるね!

Dsc00827_2

これが新しく開発された水平対抗エンジン?(ドロ、ドロ、ドロ、ドロー♪ ポルシェ? スバル?・・・・)スマン

写真の上下は、見ての通りヒートシンクである。今回製品化したインバータは、定格負荷800Wにおける変換効率が94%と非常に高効率で、発熱が少ないものとなっている。よく、「置き場所に困るから縦置きにしたいんだけど大丈夫?」っていう問い合せがあったりするけど、そうだなぁー。最大でも定格の70~80%で使ってくれたら大丈夫だと思うよ!(一応実験済みです)あくまでも目安だよ!周囲の環境によって左右されるし、装置はあくまでも横置きで設計されているからね!あっ、それから縦にするときは、フロントスイッチは上の方向にして頂戴!地震なんかの横転には十分気をつけてぇー。大事な装置だからさぁ。

さて、さてぇー

ヒートシンクにずらりと並んでいるデバイスがIGBT(フェアチャイルド製)で、フルブリッジインバータを構成する場合、最低でも4個のデバイスが必要になる。MQ R1は、それぞれ4個ずつパラレルにし、計16個使用している。パワーデバイスの並列化は、その配置条件やドライブ条件を揃えてあげる必要があり、不揃いの場合、電流や電圧がアンバランスとなり、破壊を招く。デバイスは等間隔となるよう配置、ドライバも駆動条件が等しくなるよう、最短 且つ広く取っている。(IGBTやMOS FETは、ゲートインピーダンスが高く、外来ノイズの影響で誤動作する危険があるため、ゲート配線の延長は禁物である)

写真中央部の基板は、今も話したIGBTのドライブ回路とドライバ用電源が搭載されていて、(詳細は別な機会に・・・)パワーラインと分離するために別基板としている。インバータブリッジのパワーラインパターンは、ドライブ基板の下側に隠れているが、基板の両面を有効利用し、ノイズ抑制に努めている。

ここまでがインバータ部の概要だ!次回は、LPF(ローパスフィルタ)だ!ヨロシク見てね!

皆も技術的疑問とかがあったら、じゃんじゃん問合せしてね(>_<)「ジョンがる隊長」お願いしますと言ってもらえれば、対応致します。


蚤の心臓!(でも毛生えてる)

2006-08-29 21:22:29 | インポート

MQ R1技術解説第3弾!!今回はうちの電源の「蚤の心臓?」(インバータ)部にまつわる話だ。(^o^)丿ちょっと専門用語が出てくるけど頑張ってね!

最近ではよく耳にするインバータ。ノイズ源として結構 嫌われ者で、厄介もの扱いをされている。そこをほら!何とかするのが腕な訳でしょう)^o^(

うちのインバータ部には、IGBTというパワーデバイスを使用している。パワーデバイスにはこの他、バイポーラトランジスタ、MOS FETやもちろんSITというものが存在する。(他にもいっぱいあるけどね!)

MOS FETはゲートドライブの消費電力が非常に少ないという反面、大電力化が難しいとされている。(最近はパワーも随分取れるようになったけどね・・・)これに対し、IGBTはゲートがMOS構造であるうえに、出力段(コレクタ-エミッタ間)がバイポーラトランジスタ構造となっていることから、大電力型に向いていると言われている。(SITについては別な機会に!)

一方、スピードに関してはMOS FETに分があり、非常に高速なものが出てきている(数百KHzやMHz単位)が、その構造からドレイン-ソース間には、逆方向にダイオードが形成される。(MOS FETを製造する過程で、勝手にできる)

インバータを構成する場合、逆方向ダイオードはリカバリダイオードとして、回路動作に一役担うのだが、高速化が難しく、折角のMOS FETのハイスピードを上手く生かすことができず、インバータとして使用する際のネックとなる。(これもまた技術革新により、だいぶ高速化されてきた)

これに対し、IGBTの場合、リカバリダイオードは同一パッケージ内に後付けされることから、高速なダイオードを選択(あくまでもデバイスメーカが選ぶのだが・・・)することができる。

このリカバリダイオードのスピードの違いは、インバータ動作において、直接ノイズレベルに影響している。MQ R1試作の折、MOS FETバージョンも取り組んだが、やはりノイズレベルが大きくなることから、IGBTの採用に至った。MOS FETの技術革新も目覚しいことから、今後は立場が逆転するかも(>_<)

そう言えば、今回の試作はあんまりデバイス壊さなかったなぁー!(ジョンがる隊長じゃなくて、同僚が実験したからでしょう(>_<)あんたがやってりゃもっと壊してたよ! )電解コンと同じで、派手な壊れ方すんだけどなぁ~。でも昔、半導体研究所(仙台)いた頃、これまた同僚がモジュールタイプ(ごつくて壊そうと思っても壊れそうにないやつ)のパワーデバイス、派手にやったよなぁー。

「ド・ガァーン!」モジュールの糊付けが剥がれて、パッケージ丸ごと天井まで跳ね上がったよなぁー。他の研究生が何事かと人だかりができたよなぁ~。あー懐かしい。半研(半導体研究所)でのエピソードは、また今度ね!

また、他のノイズ対策として、スナバ回路※1定数をカット&トライで決定し採用。パターンレイアウトにおいても、ループ面積を極力抑え、インバータに供給される直流電圧(約DC280V)ラインを対面させることで、浮遊容量※2を形成させ、外来ノイズの侵入や放射を防いでいる。また、その高周波スイッチングの影響から、表皮効果※3も発生するため、パターン面積を大きく、広くとっている。

大電力を扱うのにとても繊細なんだね!

MQ R1のインバータ出力は、PWM(パルス幅変調)制御されたパルス波形を確認することができ、出力電圧のピーク近傍では、その幅が広く、ゼロボルト付近は、狭くなるよう制御されている。

今後のデバイスの進歩により、更に高周波化に進むことは間違いないと考えている。ちょっと真面目すぎたかなぁ~(-_-;)

※1 サージ(スパイク)電圧を吸収する回路

※2 部品として存在しない、目に見えないコンデンサ

※3 高周波電流は導体の表面に集中する現象(よって導体の断面積が大きいよりも、細い線が何本も束になっている方が表皮効果に強い)


烏帽子山

2006-08-26 19:59:39 | インポート

青森県野辺地町に烏帽子山(えぼしやま)という山がある。山頂には、上から防災無線、NHK、RAB、ATV、ABAの順に、県南(南部地方)一体と下北地方向けの中継基地がある。とても重要なポイントで、万一トラブルが発生した場合、それら地方のTVは一斉に放映されなくなる!

うちの電源は、上記TV局のうち一社に採用されており、停電時のバックアップ用電源として使われている。

先日、2人の同僚が数年に一度のメンテナンス(バッテリ交換)に行ってきた!(ジョンがる隊長も何度か行ったことがある)道のりは険しく、目的地に辿り着くまで車で数時間かかる。ようやく着いたかと思うと、30度はゆうにある斜面を「エッチラ、ホッチラ」重いバッテリを担いで登るのである。距離にして僅か30M足らずというのに、20分もかかってしまう。やっとの思いで目的地に到着!

(・o・)やっーほーー やっーほー やっほー やっほー やっほー やっほー

流石に見晴らしが良いねぇ!

やっフォーーーー フォーーーー フォーーーー フォーーーー フォーーーー

「ハード ゲイでーーす」 「ハード ゲイでーーす」 「ハード ゲイでーーす」 「ハード ゲイでーーす」

そう言えばうちの「DA-7100HG」って、ハードゲイから取ったんだよね!?)^o^( ・・・・

手馴れたもので、メンテナンス作業は順調に進み、最後の動作チェック

バックアップ切り換え!ガチャン!「それぇ、 どーだぁ!」

ブゥーーーーーーーー(ALARM点灯:バックアップせず・・・・) m(__)m

TV中継遮断(1秒 2秒 ・・・・ 6秒 ・・・)あ゛ぁ~~、やってもーたぁーーー

TV局スタッフ (-_-;)蒼白!

同僚 (-_-;)蒼白!

心臓バックン、バックン、バックン、汗ザーザー∟≧△∩÷○∴◆*+%&!?@  (T_T) m(__)m (*_*) (-_-;)

TV局スタッフ 激怒!怒!怒!怒!

同僚 (T_T) m(__)m  (T_T) m(__)m  (T_T) m(__)m

メンテナンス作業は一旦中断され、原因を究明!

エッー なにこれ! なにそれ!(あんまりつまんないミスで教えられない)何とかトラブルを回避した同僚は、きっと生きた心地がしなかっただろう!後日、始末書を持って某TV局に行ったとさ。

笑って須万ソ「武勇伝!武勇伝!デンデンデデンデン♪」

※昨日、折角デモ機販売のアナウンスしたのに誰も気付いてくれてないようだ!つまんねぇーな。


DA-7シリーズ

2006-08-25 20:09:38 | インポート

DA-7シリーズのデモ機販売だ!(>_<)

うちでデモ機に使用していたものだ。さっきお知らせのコーナーにアップした。

今まで世話になったなぁ~。今度はいいとこに(嫁に)行って、幸せになってくれ。きっと良い人が見つかるよ!パッと見は美人じゃない(それってブスってこと?)が、使えば使うほど馴染むんだよなお前は・・・それに頑張り屋だから、きっと気に入ってもらえるよ。 うるうるうる(T_T) せつないジョンがる隊長!

今回は、7100HG-6と7050HGがそれぞれ1台しか準備できなかったが、その他、回収予定のデモ機もあるので、後日対応したい。・・・にしても7050HG 16万円は還元しすぎかな^_^;

頑張って何とかしてみるはんで・・・

↑「○○してみるはんで」:○○してみるから の意。